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長谷部浩のノート お芝居と劇評とその周辺

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2020年3月の記事一覧

外出自粛の今、興行主は、何をすべきか?

 国立劇場の「自粛」については、それにともなう代替案や国民に対するサービスがないとの批判を既に書いた。  まあ、長谷部は、大人げない批判をすると思った方もいらっしゃると思う。当事者たちが、身動きできないことくらい、わからんのですか? とか。  考えてみれば、芸術文化振興会は、国民のため、これまでの国立劇場支持者のために、サービスをしようにも、適切な手段を持っていないというのが正確な表現なのかもしれない。どうも、気の毒なことをした。  コンテンツがあっても、それを提供する

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eラーニングを支える教務システム

ウィーン大学は、全学部共通のMoodleプラットフォームがあり、それぞれの講義に対して、ひとつのプラットフォームが与えられます。ですから、複数の講義を持っている教師は、複数持つことになります。ここでは、履修登録者のリスト、カレンダー、フォーラム、質問バンクなどが、ダッシュボードから容易にアクセス出来るようになっています。 大学の人事から正式の通知がくると、このu:accountにログインすることができるようになります。3月からすでに始まっている夏学期は、4月3日まではeラー

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勘三郎が私たちに課題として残したもの

ときどきは、コンピュータのハードディスクの大掃除をすることにしています。 掃除のつねだけれど、気になる文章が出てきたときは、手が止まって、読み始めてします。そのうちに日が暮れて、茫然とするのが常でした。 以下に再録するのは、2005年4月9日、渋谷にある東急セミナーBEで行われたレクチャーのレジュメです。勘三郎は3月から5月まで、襲名披露興行を歌舞伎座で行っていました。 東急セミナーBEは、いわゆるカルチャーセンターで、私はしばらくのあいだ、熱心な担当者に恵まれて講座を

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東日本大震災の経験をひとりひとりが生かしたいと思う

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移動の自由が、制限されたことについて。

昨日、23日の23時26分頃、外務省からの一斉メールが届いた。 私が渡航を予定していたオーストリアをレベル3に上げるというのである。 ご承知のように、レベル3は「不要不急の渡航を自粛せよ」ではなく「渡航禁止を意味する」。さすがにこの1週間は覚悟しており、準備も進めてきたが、ウィーン大学の最初のセッション、4月23日は、eラーニングが決定した。

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遠い国の学生と話していると希望が持てる

昨日に続いて、他の学生からメールが来た。 私が持っている集中講義の一日が、他に履修予定をしているやはり集中講義とかぶっているとのことです。 先方の先生は、その日に試験を予定しているとのこと。早めに提出するように交渉したが、私の講義に二時間送れます。(私の講義はその日、6時間の予定)。ついては成績評価に影響しないでしょうかというのでです。 私は、まず、コースの概要で説明した評価基準に例外はないこと。二時間の遅刻は、予習と積極的な参加で問題がないと答えた。 考えてみると学

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アントワープ大学からの留学生が、まだ見ぬ教師に丁寧なメールを送ってくれたということ。

 ドイツを始めEU圈がのきなみ市民と家族以外の入国を停止しています。私が渡航を予定していた日は、この30日の期間にあたりますので、予定通りの訪問がむずかしくなりました。  事態を見極めてから、渡航の計画を見直さなければと思っています。  重い気持ちになっていたところ、エラスムス・ムンドゥス (Erasmus Mundus)の留学制度を利用して、アントワープ大学からウィーン大学に留学している学生からメールが届きました。  ウィーン大学が現在eラーニングに切り替えていること

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『義経千本桜』の中止を告知した国立劇場。「完全な五輪」よりは「完全な『義経千本桜』」を。

菊之助が、初役の権太、知盛、忠信をすべて一ヶ月で勤める企画で、歌舞伎愛好家に期待させた国立劇場『義経千本桜』が、安直な延期を続けたあげく、すべての公演が中止となった。 今回の中止については、当然、安倍晋三首相の自粛勧告を受けてのことである。最後の断念については、私はどのような指示が政府からあったかを知らない。劇場側の「忖度」であるのだとすれば、ゆゆしき問題であり、劇場の運営側が、観客や演者よりも、政府の顔色を窺っているとの疑いを捨てきれない。 もちろん、構造的に日本芸術振

ZOOMとDropboxの連携。テレワークの進化形。

現在、編集作業をしているファイルをDropboxで管理していることが多くなっています。 急にeラーニングの世界に足を踏み入れるようになったのは、ご報告した通りです。 Zoomのよいところは、画面共有が出来るところですが、ドロップボックス内の書類を変更すると、当然のことながら、会議に参加してる複数の人間は、リアルタイムで変更を確認できます。 先日、会議を行っていたとき、とっさに画像や書類を共有する必要があり、メールに添付して送るようなことをしました。 ところが今日、気が

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ドイツ、ベルリン・ケルンでのレクチャーの予定をお知らせします。

ヨーロッパでは刻々と情勢が動いています。 現在のところ、4月30日には、ベルリンの日独文化センターで講演を予定しています。 また、6月の26日にはケルンの日本文化会館でもレクチャーの企画を進めています。 実現するかどうかは、予断を許さないところです。 こうした危機が訪れる前は、中村勘三郎と坂東三津五郎を中心に、「歌舞伎の新しい波」について語ろうかと思っていました。 けれども、考えを切り替えました。 過去に考えたことはいったん切り替えて、新しい世代について語ろう。

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E- ラーニングを覚悟して、ヘッドセットを購入。機種の選び方はいかに?

コロナウィルスは長期化すると覚悟しています。 ヨーロッパもEUの理念はどこへやら、国境が確実に復活する勢いです。 ウィーンへの渡航の準備をすすめてきました。今でも渡航できるのであれば、海を渡ると思います。 もし、ウィーン大学の構内閉鎖が4月3日以降も続いた場合、大変残念ですが、E- ラーニングに切り替える準備を進めています。 先日、勤務先の学科会をZOOMで開いたときの経験を生かして、ヘッドセットを購入しました。両耳を塞ぐのでしたら、手持ちのヘッドフォンにMacのマイ

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文化の世界を救うために

 刻々と事態は変化しています。特に経済状況の急変は、深刻です。多くのフリーランスの演劇人が、劇場の閉鎖によって大きな影響を受けています。  翻訳家の木内宏昌さんが、友人の庭山さんの翻訳をFacebookにのせています。  木内さんのご友人・庭山さんの投稿からシェアされた文章です。 ドイツの文化メディア大臣による、昨日3月11日発出の声明です。慶應大学粂川教授による翻訳。 ↓ コロナウィルス ー 文化大臣、文化施設と芸術家に支援を約束 「自己責任のない困窮や困難に対応する

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E ラーニングは、どんな果実をもたらすのでしょうか。

ウィーン大学の新学期は3月2日に始まっています。すでに発表になったのは図書館を含めて、4月4日まで大学は閉鎖、すべての講義はE ラーニングになりました。https://www.univie.ac.at/ueber-uns/weitere-informationen/coronavirus/ 私の講義はかなりあとですが、もし、このE ラーニング期間が延長になったときを考えて、対策を練って、履修登録した学生、ウェイティングリストにいる学生に対して、メールを送りました。

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キーノート書類の作成に没頭。全八章のうち、第六章まで完成する。

講義にはキーノートでのスライド資料作成が欠かせない。今日は一日掛けて、第六章、日本のすぐれた俳優たちと題したページを作成する。

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