国立劇場の復活狂言について、かつて書いたことなど。『風の谷のナウシカ』への挑戦は、ここから始まっていた。
『菊五郎の色気』(文春新書 2007年)より抜粋。現在、絶版になっていますが、古書市場で探すのは、さほど難しくないと思われます。
芸の継承の重さ 古典芸能としての歌舞伎にとって、家の芸の継承が重い意味を持つことは、いうまでもない。しかし、二百ともいわれる固定化されたレパートリーを繰り返すばかりでは、古典の名に安住するのでは、活力を失いかねない。まして、名門といわれる音羽屋である。家の型は、厳然としてあり、古典の再解釈、新たな型の創出は、容易ではない。
菊五郎に、この点を