仁左衛門の病い。歌舞伎の今後をめぐって。
仁左衛門が、帯状疱疹になったと聞いて、胸が痛んだ。
この病気の痛さ、辛さは、体験した者にしかわからない。昨年の十月十六日に発症して、この病いそのものは、一ヶ月で終息したのだけれど、帯状疱疹後神経痛の痛みが和らいだのは、一月も半ばになってからだろうか。半年が経過した今も、神経痛を沈めるタリージェの服用は続いている。朝、起きたときのひりつくような痛みはまだ取れていない。
私は腹部だったが、仁左衛門は、頭部だったと聞く。発症の当座は、鬘を乗せるための羽二重が痛みで付けられな