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仁左衛門と玉三郎の永遠。

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歌舞伎を長年のあいだ支えてきた片岡仁左衛門と坂東玉三郎の舞台を集めたマガジンです。ふたりが競演した『桜姫東文章』はじめ、近年の作品について書いた劇評を網羅しています。永遠の二枚目…
仁左衛門と玉三郎の舞台を、永遠に見たい。そんな気持でマガジンを作りました。
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2021年6月の記事一覧

【劇評227】仁左衛門、玉三郎、エロティシズムの根源。『桜姫東文章』の秘法。

 四月の歌舞伎座を満席にした『桜姫東文章』(四世鶴屋南北作 郡司正勝補綴)の下の巻が、六月の第二部に出た。  上の巻は、前世の因縁と清玄と桜姫の墜落を描いた。下の巻は、ふたりの流転と、仁左衛門二役の釣鐘権助の荒廃ぶりに焦点が合う。  序幕は、岩淵庵室の間から。歌六の残月と吉弥の長浦は、上の巻にも増して、嫉妬と憎悪に貫かれている。美男美女と対になる醜悪な悪党ぶりで、場内を沸かせる。歌六、吉弥、仁左衛門、玉三郎の対比が、人間の諸相を現しているかのようだ。  孝太郎のお十は、

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