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ヒットの予感!セブンイレブンのにんにくチャーハンの事例を通して、ニーズとインサイトの違いを理解する

5月に新発売されたセブンイレブンの「にんにく好きの為の!にんにく炒飯&ガリチキ」。商品名に「にんにく」が3回も登場するくらい、振り切った新商品だ。

にんにく炒飯とガーリックチキンを組み合わせたお弁当です。にんにくを混ぜた炒飯に、スペイン産紫にんにくピューレを加えて、香り高く仕立てました。ガーリックチキンは焼いた後にガーリックソースで香ばしく味付けました。
(セブン-イレブン商品紹介より引用)

「にんにく好きの為の!」に偽りはなく、ガーリックチャーハンにガーリックソース、そしてガーリックチキンのトリプル。全方位ニンニクの強烈な風味。

SNSで見かけた時のシズル感はなかなかのインパクト。同タイミングで同じことを感じている人がかなりいた。ヒットの気配。

公式サイトを見る限りでは、5月5日から発売し、全国で順次展開中らしい。最寄りの三軒茶屋のセブンイレブンでは、先週6月初旬に初めて店頭に並んだ。

リモートワーカーのインサイトを捉えた商品開発は偶然か?

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にんにくへの注目は増えている。

リモートワークで人に会わないのが影響していそうだ。

時期的に、商品企画自体は元々決まっていたかもしれない。しかしターゲティング・ネーミングには「リモートワーカーのインサイト」への並々ならない関心が感じられる。

(他の新商品名)
5種の重ねだし!手延べそうめん
ゆず香る豚しゃぶパスタサラダ
まんぷく!炒飯&焼きそばの鬼タルチキン南蛮
豚肉の旨み!肉そば

それに対しての

にんにく好きの為の!にんにく炒飯&ガリチキ

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(もともとは、もう少し違う商品名だったのではないか?)

このセブンイレブンのにんにくチャーハンの事例を通して、ニーズとインサイトの違いを整理する

「ニンニクめっちゃ食いて〜」と思って、コンビニに行かない。

だから「コンビニで何を買いますかですか?」というアンケート調査では、このにんにくニーズは顕在化してこない。

しかし、その日「にんにく炒飯」を目にした私は、自分の求めていたものが「にんにく」だったことを直感する。「普段食べられないものを食べたい」という気持ちを捉えた。

この無意識の欲求を「インサイト」という。

インサイトとは、「消費者も気づいていない無意識の心理」であり「顧客を動かす隠れた欲求」を指します。たとえばハンバーグの中からA店のハンバーグを選ぶ、本人も意識していない決め手となる動機のことです。

「顧客インサイトを見抜くための基本と、すぐに実践できる調査方法のまとめ」より

このインサイトを捉えるのは、なかなか難しい。

言われて初めて「そうかこのタイミングだからニンニクがっつり食べられるのか!」という発見を見出せる。インサイトをうまく掴むことは、ガラケーにおけるiPhoneの事例が有名だ。

人は物を見せられて初めて、自分が何を欲していたかに気づくんだ
(スティーブ・ジョブス)

↓インサイトを発見する方法に関してはこちらの記事でより詳しく説明されている

顧客インサイトは3つのステップで見つける

1.「顧客の本音」を引き出すための仮説を立てて、アンケートやインタビューを行う
2.集めた顧客データを分析する
3.分析したデータを元に顧客インサイトを見つける

「顧客インサイトを見抜くための基本と、すぐに実践できる調査方法のまとめ」より

しかし、「仮説」を見つけるのが難しい。鳥の目でマクロのデータを俯瞰し、虫の目でミクロのデータから想像する、そんなマーケティングの思惑を「にんにく好きの為の!にんにく炒飯&ガリチキ」から思いを馳せた。

こういうのでいいんだよ、こういうので。

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