アイデアは流星のようなもの。浮かんだと思ったらすぐ消えてしまうが、記録に残して繋げると美しい星座になる。

アップルの創始者、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での伝説のスピーチ「点と点を繋げる」を知っている方は多いでしょう。しかし、ではその「点」とは何なのでしょうか?知識や経験といったものもあるのでしょうが、それよりももっと大事な点があると私は考えています。それは「アイデア」です。

このアイデアというのは生まれるときは簡単に生まれるものなのですが、消費期限が非常に短く、「後でメモしておこう」「後でやろう」と思って後回しにしていると、その頃にはすっかり記憶から消えていて思い出せない...というものなのです。まるであれだけ印象に残っていたはずの夢が、夢から覚めた数分後には全く夢の内容を思い出せないかのように...

また、仮に内容を覚えていたとしても、そのアイデアに対する情熱はそのアイデアについて考えているその時が一番燃えているものです。だから後で書こうと思っても、最後まで書き留める気力が続かず端折って書いてしまって事細かに書き記せなかったり...よってアイデアは、思い浮かんだらその時に書いてしまうのが一番いいのです。

自分の場合ですが、沸いてくるアイデアは主に

・小説のネタやストーリー

・本やネットで読んだ情報や知識を自分なりに活かす方法

だったりで、こういったものを日々メモにして積み重ねる習慣をつけています。

ではこれらのアイデアはどんなときに浮かびやすいのでしょうか?まず普遍的な原理から言うと、「創造性の4B」という言葉があります。これは、

・Bathroom(お風呂やトイレ)

・Bus(バスなどの移動中) 

・Bed(寝ているとき、または寝る前と起きたとき)

・Bar(お酒を飲んでいるとき)

の4つの場合にアイデアは浮かびやすいという物です。私は酒はあまり飲まないのですが、それでも残りの3つには共感できます。これらの共通点は「ぼーっとしていること」。これらの時にひらめきは起きやすいと言われています。

ただ、最近はトイレや乗り物の中ではスマホを弄ったりしている人も多いので、ひらめきを得たい方にはそういったときもスマホを触るのを我慢してぼーっとしていてもいいかもしれません(私もスマホを触っている電車の中より、歩いたり自転車に乗ったりしているときの方がアイデアが良く浮かんだりします)

そしてそういったアイデアはすぐに記憶から消えていってしまうものなので、いいアイデアはすぐにメモしておくことをおすすめします。寝る前にもいいアイデアが浮かんだら、すぐに起きてメモしてから寝ることをおすすめします(メモしないで考え続けていると、考えるのをやめられなくて眠れなくなりそうですし。)お風呂の中でメモは難しいかも知れませんが、防水性のあるメモ用紙や油性のボールペンなどを持ち運んだりしてもいいかもしれません(それがなければ風呂上がりまでずっとそれについて考えるとかにはなってしまいますが...)。

タイトルにもある通りアイデアとは流星のように見つけたと思ったらすぐに消えてしまうものですが、それを消える前に捕まえて位置を記録し続けていくと、あるときその位置を見返したときに「これらの位置を結ぶと綺麗な形になるぞ!」と気付くときがあるかもしれません。それが星と星を繋いで出来た星座であり、「点と点を繋げる」ということなのです。

例えば私の場合なら、小説のネタ同士を一つに纏めて一本のストーリーが完成したり、情報や知識を合わせて自分にとってこの問題を解決するにはどの方法がいいのか?という導きを得たり、更には小説のネタとそれらの情報や知識を合わせて一種の寓話めいた教訓話を作ったりということもできます。

エジソンの名言に「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」という言葉がありますが、ひらめきが突然浮かんでくるアイデアだとすれば、努力とはそれを残るような形で記録して忘れないようにし、更にそのアイデア同士を繋げて一つの形を作る、ということなのだと思います。

勿論アイデア同士を組み合わせたり、それらを膨らませたり、形作ったりといったところでの努力は必要になりますが、そこには「アイデア」という土台が既に用意されてあります。0から1を作る労力を考えると、この土台がある、ということは非常に心強いのではないのでしょうか。

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