事業を守り、負債を背負って破産する

負債があって、返せなく、見通しがない。
だから破産を選択する。

私も資金が回らなく、どうにもならなくなってしまったため、破産を選択しました。
でも深く考えてみたら、会社を継承していた時から負債はあり、元々資金も自転車操業であった。
そんな中で自分はなぜ会社を受け継ぎ、破産することを選んだのか。

それは簡単です。
事業、店舗、看板、歴史、それを守りたかったからです。利益が出やすい事業なのかと聞かれると、出にくい事業だと考えています。世の中の景気に左右されやすい事業であり、現地に来ないと感じることのできない場所で山奥にある為移動時間がどうしてもかかる所です。

地域との関わりも深く、どこに行っても自社の名前を知っていて、良い事を、聞きにくい事も、色々と一般の人も知っている会社でした。
120年以上続くお店です。法人は65期。
それだけ長い歴史のある会社には多くの人が携わっており、苦労と努力結晶で、目には見えない人からの信頼は多くあったと感じています。

私は産まれた時からお客さんが居る生活を送っていました。毎日自宅に知らないお客さんがたくさん来て、いらっしゃいませや、ありがとうございましたの声が多く飛び交っている自宅であり、お店でした。

産まれた実家であり、会社であり、それが自分の居場所でした。
本当ならこんなに借金を背負わず、人に迷惑をかけず、苦しい思いをしない生活を送っていたこと考えます。
マイナスな部分だけ見たら、私の結果はひどい結果に見えるかもしれません。
私も、最初に考えた案が間違っていないと信じていても、周りの声に耳を傾けて自信をなくしてしまうことも多くありました。
会社の最終的な全ての責任は「経営者」にあります。

私の考えは、経営者として、そこで生まれ育った一人の人間として、事業の継承を第一優先と考え行動してきました。

結果的に破産するとことなり、世間では様々な噂も立ちました。
自分の考えていることであっても、他人からの評価があまりにも食い違っていて涙を流す日もありました。

事業、店舗、看板、歴史を受け継いだ経営者として、次に託すことが最大の仕事だと認識しています。
その託すことが私にとって最大の成果だと考えています。

今振り返ってみると、いい意味でそこのパワーに取り憑かれていたとも考えています。

世の中にはたくさん継承を受けた経営者がいます。
私もその一人です。
そして、私の代で会社を潰したのです。

会社を潰した。
会社の寿命は経営者で決まる。
会社より、事業や店舗、歴史の方が大切でした。

実家の家業の後を継ぎ、上手くいかず、苦労している人に届けばと考えております。

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