「強いフリ」が通用しない世界で。

noteを使用した記事としては初めてのものとなります。

結構な長文な上に、こういった文書を書きなれていないので下手で読みづらいです。重要箇所は太字にするようにしているので、適時読み飛ばして頂いて全く問題ありません。

簡単な経歴

1:大学で4年間ポケットモンスター(以下ポケモン)対戦にはまる。(当時は第5世代初期~第6世代中期)特に大会関係には積極的。

2:社会人になってからも継続はするが、基本は某MMOに逃げる。

3:シャドウバース(以下シャドバ)のサービス開始と共に同ゲームを開始。

4:離れる時期はあるものの、シャドバをコツコツと継続。ミリオンカップVol1優勝(100万貰える)、JCGOpen2回優勝(オンラインの公式大会)等の実績を得る。


大学時代(ポケモンプレイヤーとしての自分)

大学でポケモン対戦(当時は第5世代)をはじめ、6世代中期頃まではかなり力を入れて活動していました。構築という名の作品を作り上げていく過程は本当に楽しく、大学の授業中もそのことを考えてばかりだった記憶があります。オンライン・オフラインでの大会参加に力を入れていました。入賞数に自信があった上に参加者100人超えの大会での優勝経験も複数あり、それなりのプレイヤーのつもりでいました。

在学中の生活はというと、受ける授業は極力楽単と言われている科目で固め、出席点が必要な授業はそのためだけに出て授業中は寝るか、ポケモンの構築を考えるか、艦隊これくしょん(こちらも大学3年~ハマっていました)で資源集めをしていました。目的意識もなく最低限の労力でノルマだけをこなす典型的なダメ学生です。遊び歩く友人は皆無で、長期休暇以外はバイトもしていなかったので、完全にポケモンが生活の中心だったと言えます。

上記故に有り余った時間を使って大量のポケモン大会に出場していました。今でもシャドバの大会には平均週1以上のペースでは出ていると思いますが、当時のポケモン大会への出場率は今の比ではありませんでした。当時主流な配信プラットフォームであったニコニコ生放送(以下ニコ生)では連日のように誰かがポケモン大会を開いており、それに参加するのが日課でした。

ちなみに当時の景品は今出ているシャドバ大会のようにプリペイドカードではなく、色違いポケモンや準伝説(所謂3鳥、3犬等)が基本でした。当時エメループとBW徘徊以外の乱数を習得していた僕にとっては必要性が濃いものではありませんでした。しかし、それらの賞品を勝ち取ったという事実を誇り承認欲求を満たすことは賞品そのものよりも重要なことでした。

数を撃っていたこともありますが、当時はプレイヤーのレベル自体が全体的には高くなかった(体感)ため、一定レベルの構築を組んでリスクヘッジをした立ち回りをするだけでかなりの勝率を出て上位入賞ができていたように思います。

また、制限のない大会であればレベルの高い相手と当たる事も多く、そういった相手と連戦すれば常勝というわけにはいきません。

しかし、時々開かれている制限付きの大会(タイプ統一や色統一等様々なものがありました)は、僕にとっては非常に狙い目でした。なぜなら僕はとにかく構築を組むのが好きだったからです。ポケモンやカードゲームをする上で一番の楽しみと言っても良いです。今でも思っていることですが、構築というのは芸術です。作品を組み立て、勝負の中でその作品を使って自分を表現できる瞬間の興奮は麻薬みたいなものです。分かる方はきっと分かると思います。制限付きの大会は、通常のルールとは環境からして変わってくるので、構築を考える事も足りない個体を準備するのも非常に手間です。

上記故に自分の認識の範囲でいくと上位のプレイヤーは制限付きの大会への出場率は高くなかったです。(構築を考える手間以上に、使える個体の数が足りていないというのはあったと思います)しかし、構築組みが一番の楽しみだった自分はそれらの大会にも躊躇なく出場して小さい実績を積み上げていきました。(こういった大会に多く出ていると、個体の数が増えるので大半は使いまわせるようになってきます)

「制限大会での結果が実績??」と思われた方もいるかもしれませんし、実際1つ1つは大したことではないです。しかし、当時の僕は決勝戦等を自身のニコ生で配信し、その配信を当該大会の放送や、自身のツイッターで周知するようにしていました。このニコ生での配信頻度を増やす(=上位入賞の回数を増やす)ことにより、僕が「よく勝つ奴」という一定の認知を得ることができていました。また、言ってしまえば即負けしてしまった時は何の報告もする必要はなく、勝った時だけそれを見せつければ良いため、非常に便利なコンテンツでした。ニコ生での小さな実績を権威に変換していたという話です。

それに加えて、当時最も権威を持っており一番レベルの高い対戦環境であったオフライン大会にも出場するようにしており、そこでも100人超えの大会で優勝する等の結果を出した事も大きかったと思います。


ここまで大学時代の事を長々と書きましたが、下手な文章ですし全部を理解していただく必要はありません。大切なのは、当時から僕は自分を権威付けして承認欲求を満たす(自分を強く見せる)のに必死だったし、ポケモン第5世代においてそれはある程度は成功した、ということです。

※第5世代のころに「TERA」というオンラインゲームに嵌っていた時期がありましたが、ほぼ余談になります。大会が主戦場だと時間を削ることが許容され、オンラインゲームとも余裕をもって両立できるレベルというのは関係あるかも。


力を持つレーティングバトル(大学時代終盤~・ポケモン6世代~)


第5世代の間はオンライン・オフラインの大会に一定の権威性があり、それらのフィールドで成果を上げることで自身を強く見せていました。(そもそも一部上位プレイヤー以外の平均的なプレイヤーレベルが高くなかったので勝率そのものも出た)

しかし、私の大学3年生の秋、第6世代・ポケットモンスターXYの発売以降は思うようにいかなくなってきます。

第5世代に各種大会の価値が高かった理由の最も大きなものの1つが「レーティングシステムが機能していない」というものでした。なぜなら第5世代は正真正銘の切断し得環境だったからです。試合自体が無効になるシステムであったため、切断をした側のレートは下がらず、勝つ寸前だったとしても切断された側のレートは上がりません。そんな環境で上げた数字に価値があるわけがなく、強いプレイヤーほどこれに重きを置いていない傾向がありました。

しかし、第6世代以降その仕様は変更され、切断はした側の負け判定になるという今となっては当たり前の仕様になりました。これによってレーティングバトルが価値を持ちはじめます。

僕の方はというとレーティングバトルは適度に嗜みつつ時々は大会に出るという半端な生活でした。この頃は艦隊これくしょんに一番のリソースを割いていた記憶もあります。

大会の数自体かなり減り始めましたが、出た際はそれなりの戦績を出すこともあり、問題はあまり感じていませんでした。レーティングバトルに関してはどうしても時間を食ってしまうことや、長期に渡って戦績を気にしなくてはいけないストレスとは向き合える気がせず注力は控えていました。

※6世代も7世代も大体各ソフト発売直後に1900代か2000に載せて気力が続かずやめてます。

しかし、大会の価値が相対的に下がり、レーティングバトルの価値が相対的に上がった環境では勿論権威付けなどできず、碌な影響力も持てないまま時間が過ぎていきます。

更に言えば、レーティングバトルの整備により競技プレイヤーの数も増え、楽に勝てる相手が体感ですが減ったように思えました。勝ち辛くなったと感じたのは単純に天候変化のターン制限や、嵌め行動の実質的な制限、メガ進化とそれに合わせて全体的に高耐久化している等の要因から、第5世代時代に自分が得意としていた戦術が悉く通じず手探りする必要があったこともあります。なので勝ちづらくなった理由は正確には言えないところです。

とにかく自分にとっては難しい状況となったことだけは事実です。

レーティングバトルにより権威が付く環境においては、長期的に高い戦績を出せるプレイヤーが段々とはっきりしてきます。そして、今までのような「強いフリ」は完全に通用しなくなっていました。

リアルの方も少しずつ暇ではなくなっていき、ポケモンに割く時間は更に減っていきます。(なぜか艦これはがっつりやっていました。)

大学での単位は3年生の終わりの時点でフル単(履修した科目の単位を全て取る事)であったため、4年生はほぼゼミだけ出れば問題ない状態でしたが、公務員試験の勉強が佳境の時期であったため、なかなか大きく時間を割けない状況でした。

その後、ORAS(ルビー・サファイアのリメイク)が発売しますが、ポケモンの方の事情はそれほど変化なしです。環境初期のレートでそこそこ程度になるも大体すぐやめ、時々オフライン・オンライン大会にでて良い結果が出る程度でした。

社会人になってからはリアルもしんどい上にポケモンをやってもストレスになっており、精神を摩耗させていました。そんな中、昔やっていたMMORPG(前述したTERAではないです)に新サーバーができたと聞いて、しばらくはそちらに嵌ります。ポケモンも時々はやりましたが、上記の通り、オフライン大会等で結果が出た程度です。レーティングバトルに本気で取り組んでもレート2100代以降の化物には敵う気がしていませんでした。

これ以降ポケモンに触れるのは第7世代のサン・ムーン発売後となります。

ポケモン第6世代では様々な要素が自分にとっての向かい風になりました。レーティングバトルの価値が高まり「強いフリ」が通用しなくなったにも関わらず、「強くなる」事は諦めきっていました。


シャドウバース開始 RAGEの権威性

2016年6月、当時見ていた配信者がサービス開始日からシャドバをプレイしているのを見てインストールしました。

このゲームにおいてもやっていたことはポケモン時代と同じく大会です。RAGE(大型ゲームイベントで公式大会)、JCG(公認のオンライン大会で、優勝すると称号が貰える)、突発大会(よくある個人主催の大会。ポケモン時代と違ってプリペイドカードが賞品になりやすくとてもありがたい。)などです。初めてRAGEに出た第5弾カードパックのワンダーランドドリームズ期、初めてRAGEにてday2行きを決めた第6弾カードパックのStarforged Legends期あたりからは競技プレイヤーとしての意識でいたと思います。

元々このゲームで最も権威性のあるコンテンツはRAGEでした。RAGEのファイナリスト達はまさにスター選手として各所で活躍するようになっています。しかし、これは悪くない状況でした。RAGEが権威を持ってくれているうちは、RAGEで勝ちさえすればこのゲームの第一人者的存在として振舞えるからです。RAGE vol.5(ワンダーランドドリームズ期)のファイナリストである「オチ」選手の名言で「シャドウバースには夢があります」というものがありますが、この言葉通り夢のある状態だったわけです。最低限の事ができていればその日の振れ方次第でスター選手になれると思えばなかなか希望を持てる話です。

RAGEファイナリストはスター選手ではありましたが、上記の通りその日の振れ方次第な部分が大きい(逆にどれだけ強くても大半は勝ち切れない)ことは多くのプレイヤーが分かっていました。(体感ですが)なので、現在と比べるとプレイヤーの努力量が全体的には少なかったように思うのです。(これもTwitter等を見てきた感想でしかないので根拠のある話ではないです)

故に、RAGEそのもの、他JCGや突発大会等において少ない努力量での期待値が高い環境ではあったなと思っており、それは自分にとっては心地よかったです。

しかし、この状態は段々と解消されていきます。


権威性の移行

要員は

①ゲーム自体の複雑化

②Ratings for shadowverse(以下レート)の権威が高まる

③RAGE Shadowverse Pro League(以下プロリーグ)の開始と盛り上がり

と考えています。順番としても①→②→③です。レートに関してはアクセラレートやチョイスの実装どころかローテーションとアンリミテッドにフォーマット分けされる以前からあるコンテンツな訳で、一部の上級者はここで鍛えていたのは知っています。しかし、当初はRAGEを超えるような権威性は感じられず、それはあくまでゲームの複雑化に伴って強くなっていったように思えます。(これも感覚です)レートの権威性が高まる一方で相対的にRAGEのそれは低くなっていき、ファイナリスト達のスター性も全体的にはあまり感じないようになりました。(あくまでTwitter等の反応を見たうえでの主観です)

このレートとRAGEの権威性の移行を決定的にしたのが、2018年5月に開幕したプロリーグです。この話をしっかり書いたり具体的な選手名を挙げて話すと一部プレイヤーのファンからは顰蹙を買うでしょうからそれはしません。端的に言えば、プロ選手として採用された選手の中で、レートに力を入れていたプレイヤーの戦績や試合内容が、他のプレイヤーよりも良い傾向があったということです。

言ってしまえば「強いフリ」をしていた(悪意の有無は関係なく)プレイヤーと「本当に強い」プレイヤーが見事に露呈してしまったのです。

現在では、プロリーグへの新規採用者もレートの上位勢が増えました。そして採用された彼らの悪い評価はそれほど聞きません。(自分がそれほどプロリーグを見ないので、あくまで聞いてないだけですが)戦績を見る限り全体的には良いように思えます。

アマチュアチームの募集要項にも、レートの戦績を出すよう記載されているケースが多いです。強いとされているチームは特にそうです。

とにもかくにも、現在はシャドバプレイヤー内での権威性はRAGEからレートに移り、その状況が続いています。

しかし、これは僕のようなプレイヤーにとっては非常にピンチなのです。


「強いフリ」はやはり通じない

というわけでポケモン時代と同じ試練がまた降ってきました。

RAGEからレートに権威性が移った話をしましたが、RAGEと同じ一発勝負の性質を持つ各種大会の権威性も同時に弱まることになります。

経歴にも書いた通り、僕はオンライン大会で一定の結果を得ましたし、獲得賞金の総額は現状130万を超えています。これを使って多少なりとも「強いフリ」をして様々な面で優位を得ることができるのが理想です。

しかし、権威性がレートにある以上大型オンライン大会での実績や獲得賞金額を使って「強いフリ」をすることは困難ということです。

身の振り方

大会自体は公式のものも個人のものも好きなので、今後も積極的に出ていく予定ですが、上記のことはしっかりと認識しておかなくてはいけません。

「そんなに言うならレートで勝てばいいじゃん」という話になるでしょう。しかし、勝てないのです。強くないから長期スパンでは勝てないのです。思考の速さや深さといったセンスの面は勿論ですが、それ以上に自分に対してストイックになる精神性がないのです。通話に参加したり、強いプレイヤーの配信を見て学ぶのも面倒に思ってしまうし、数をこなす努力もしたくないのです。自分の未熟さも含めて成長を楽しめる人は人種が違うとしか思えません。

強くなりたい気持ちは勿論あります。しかし、僕の場合「強くなりたい」という気持ちの正体は「強く思われたい」というものであり、そのためには「強いフリ」ができれば事足りるし最低限の努力だけして「強いフリ」できないかなあなんて甘えた思考になってしまいます。そもそも、ポケモンでもシャドバでも楽して「強いフリ」をすることばかりを考えてやってきたが故に「強くなりたい」と思い努力してきた人間との差が開き続けた結果今があるのかもしれません。「強いフリ」をしようとしてきた結果残った物がないとはいいませんが、「強くなる」ために努力してきた人間と比べると天と地の差があります。

ポケモンと同じくシャドバも「強いフリ」が通用しないゲームとなってしまった訳ですが、仮にシャドバを離れて別のゲームに行っても同じことになるし、ゲーム以外の分野でもそうでしょう。黎明期では通用するかもしれません。しかし、本当に強いプレイヤーが明確になるシステムができてしまえば彼らを出し抜いて「強いフリ」をすることは不可能です。また、フェアに行われない勝負には価値がないという信念を持っているため、手段を選ばず形だけの勝利を重ねる行為はしたくありません。

結局最後に笑うためには「強くなる」以外ないらしいです。シャドバを続けるにせよ、いつか別ゲーに乗り換えるにせよ、別ジャンルに挑戦するにせよ。

こんな駄文を最後まで読んでくださったことに感謝しかありません。ありがとうございました。普段は主にTwitterに居ます。よろしければフォローしてあげてください。@haruyaaa

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