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世界は意外と目新しい

今回のテーマ:彩り

最近、スマホの画面の設定を白黒にした。わたしのスマホ上で白黒になっているだけなので、他の人に伝えようとスクショを送っても、ただカラーのスクショが送られてくるだけだ。カラーフィルタというのをオンにするだけでスマホの中の色彩が一瞬にして消える。

これをすることによって、スマホを触りたい気持ちが減ると聞いてやってみたけれど、実際のところ対して触りたい気持ちは変わらなかったように思う。細かな色の違いはわかりにくいので、ゲームをしたい気持ちはなくなった。

この設定をしばらく続けてみたことで、新しい写真の楽しみ方を見つけた。わたしは毎日スマホで写真を撮っているのだが、撮った瞬間にわたしが見ていた世界が白黒に変わる。そして、記憶も白黒で形成されるようになる。とくに、絵画やポスターなどを撮ると、もはやそれが何色だったか思い出せないほどに、色の記憶とは曖昧なものなのだと知った。だけど、自分が撮った写真に頭の中で色付けをして、想像することはとても楽しい

わたしたちは日々、色をどのように認識しているのだろう。小さい頃のわたしは、白黒映画や、白黒写真をつまらないと感じていた。実際に、学校のプリントや教科書は白黒よりカラーの方が、子どものやる気があがるというデータがある。そのため、わたしの学校のプリントの大半はカラーで作られている。

白黒は、たしかにつまらないかもしれないが、後からそれが何色だったか思い出せないのなら、色には対して特別な役割がないのではないだろうか、と思った。
もちろん、その時その時を楽しむためには、彩りが豊かな方が楽しいけれど、思い出したいときに人はそこまで詳細に色を思い出せない。ということは、色は写真と同じように、見た瞬間、撮った瞬間から過去のものになるのだろう

そう思うと、世界の色がひとつひとつ愛おしくなってくる。いま自分が目にしているものが何色か、自分はどんな色彩の世界に住んでいるのか、じっくり見渡して観察してみることで、いつもと同じ場所なのに目新しく感じるかもしれない

ということで来週は「展望」でよろしく

24.02.20

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