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母への手紙〜霊感干支〜

60種類ある干支の中に、特殊な干支がいくつかある。その中で、霊感干支という干支がある。その特徴は、霊感と感受性が強いため、霊的なものを見たり感じたり予知したりといったことが日常のなかで自然と起こる人が多い。その為、先を見通したり、人の本質を見抜く力があり、生き方が直感的になる傾向がある。


私の母は、この霊感干支の一つ、壬午(みずのえうま)だ。イメージは夏の海。

母は霊感が強い。何となく嫌な感じがする、とか、神社でご祈祷してもらうと身体がビリビリしたり。

一緒に旅行中、ある有名スポットに立ち寄ったとき、母は「何か行きたくない、待っている」、と言っていたのに私はせっかく来たのだからとその場所に引き入れた。次の日、帰宅した母は高熱をだして寝込んだ。普段あまり熱をださない母が、だ。


母が大切にしているルビーの指輪がある。それは自分を守ってくれるお守りだと言っていた。10年前、両親が事故に合ったとき、父は重症でドクターヘリに運ばれ数ヶ月入院した。母はかすり傷一つなかった。一瞬の判断のタイミングだった。この時のことを母は、指輪のおかげだと言っていた。


今年の七夕では、夜、実家の部屋の数カ所で金色の小さな星のようなキラキラが見えたという。嫌な感じはなかったし綺麗だったけど、びっくりした、とか。



少しロマンチックな話もある。父との馴れ初め話だ。両親はお見合いだった。祖母がお見合い写真の母を一目みて気に入って、「この子はうちがもらう」、とお見合い話をもってきたそうで。確かに、若い頃の母は女優のように美しかった。

お見合い場所に父が到着して、車から降りた父を一目みて、母はビビッときたという。『わたしはこの人と結婚する』と、確信したという。わたしが恋愛でモヤモヤしたり、結婚で悩んだ時、よくこの話を聞かされた。そして、こればかりはご縁でしかない、と。その時がきたら、結ばれるものだと。

それから、全てはスムーズで2人はトントン拍子で半年後には結婚式を挙げていた。


そんな母は、霊感が強いゆえ、感受性が強くて繊細だ。女としての強さと、壬の女性ならではの心の広さも持ち合わせているが、自分を責める癖がある。傷官と墓の組み合わせがあるから、自分の中の毒を溜めやすいくて傷つきやすいという気質も相まってなのかもしれない。 

それゆえ、わたしを妊娠する前くらいから鬱病を患った。わたしを産まない方がよいという話もでたが、母はわたしを産んでくれた。それから30年近く、母は鬱病と共に生きてきた。今はほとんど症状はないが、本当に色々なことがあった。母の記憶は途中抜けている。過酷だったから、わたしはそれでいいと思っている。母も私達家族も、バラバラにならず、よくやったなぁと思う。そして何より、父が母を愛していたからだ。その根っこがあったからこその今の我が家かもしれない。


壬午の霊感と感受性はとても鋭くて繊細だ。だから、自分を責めたりしないことが本当に大事だ。その霊感を自分の人生の決断に活かして欲しい。自分のその感覚を信頼して。  そして、その感受性を芸術やもの創りに活かして欲しい。宇宙と繋がっているような、純粋なその感受性は、人を魅了するだろう。


壬午の感覚は、光、そのものだ。母を見てそう思う。






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