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愛に満ちたお仕置き部屋

毎月通う、東京・神保町にあるお顔そり専門サロン『東京すがお』は、わたしにとって『愛に満ちたお仕置き部屋』だ。

オーナーの映理さんには、8年近くお世話になっている。雑誌で紹介されていて、何となく惹かれて行ってみたのがきっかけだ。

初めて会った時のことを、今でもよく覚えている。

よく通る元気な声で、小さな太陽みたいな笑顔で出迎えてくれた映理さん。   『ここは沖縄か?』と思ったくらい、一瞬で体感温度が上がったような気がした。

お顔そりの技術は、まさに職人技で、剃刀で風船を割らないスキルが必要で、やられる側からも、剃刀の角度や力の入れ具合などの繊細な動きを肌で感じる。

お顔そりをした後の肌は、ふわふわで、ツルツルで、軽くなる。わたしの体感的には、『浄化』という表現がぴったりくる。


ある日、わたしは気がついた。映理さんは、エネルギーを込めながらお顔を剃っているな、と。

ご本人に確認すると、『可愛くなーれ♡』と愛を込めてやられているとのこと。やはりだった。人のエネルギーは、確かに伝わるのだ。特に肌に直接触れるから、それがダイレクトに伝わる。


そんな映理さんとのお顔そり時間では、毎度、話が尽きない。仕事のこと、人間関係のこと、目に見えること・見えないことの話、etc。


昨日は、ビビりでチキンのわたしが、いつもの悪い癖で、隠れみのを使って向き合うことから逃げようとしたとき、鋭い映理さんに見抜かれた。

「たおちゃん、それ違くない?もー!何やってんの?」

核心を突かれたわたしは、逃げ場を失い認めざるを得なかった。でも、不思議なもので、映理さんの場合、確かに元々、信頼関係があるからなのもあるが、言葉に愛があるから、わたしの心にスッと入ってくるのだ。

映理さんの言葉で、ケツを叩かれ、目が覚めたわたしはその場で、バンジージャンプをすることを決意した。

そして、結果、自分で言うのも恐縮だが、素直なわたしはその夜アクションを起こした。そして、いい流れを作ることができた。



映理さんは、剃刀だけでなく、ピコピコハンマーも隠し持っている。そして、必要なタイミングで愛を込めてお仕置きしてくれる。

洗礼を受けたわたしがお礼を言うと映理さんはこう言った。

「わたしの口を使って、たおちゃん自身の本当の自分が伝えたいことを言わせたんだよ。」


人は、核心を突かれた時、少し心が痛むと同時に恥ずかしいものだ。隠したくて、認めたくなくて、かっこよく見せたくて、それがバレると恥ずかしいものだ。そして少し怖い。

でも、誰に言われるかで、感じ方は違う。その人に言われたら、スッと心に入ってくる、素直に認められる。そんな人がいることに、わたしは感謝の気持ちでいっぱいになった。


『東京すがお』というサロンは、わたしにとって『愛に満ちたお仕置き部屋』だ。わたしのお顔と心をピカピカ、ツルツルにしてくれる場所。


晴海 たお




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