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#3 箱庭療法と砂箱

8月のあの日に愛ちゃんに会ってから、しばらくしたら私の中でうずうずする気持ちが湧き起こってきた。

心理療法のひとつに箱庭療法というものがある。心理臨床の世界では知らない人はいないほど有名なものだけど、一般の方々には馴染みがないかもしれない。箱庭療法は、砂の入った箱の中に、植物や動物、人形や建物などのフィギュアを置いて、ひとつの作品を作る表現療法の一種である。それがなんとも魅力的で、大学院生の頃から惹かれるものがあった。愛ちゃんにとっても、この道に進むきっかけになったほど大切な存在だった。そして、これからやっていくふたりのビジョンの中に取り入れていきたいっていう思いがはっきりとしたら、私の中のうずうずはたちまち大きなエネルギーになって動き出すのであった。

"いつか箱庭もやりたい"

話していた時はそんな感じだったと思うのに、箱庭のセットを手に入れるにはどれくらいお金がかかるのかな、なんて調べ出したら。作ってる人もいるんじゃんってのがわかって、これなら今の私たちにでも手に入るんじゃないか。"いつか"って言ってても始まらない。できること"今スグ"やってみたらいいんじゃないか。その先のことはよくわかんない。でも、なんだか無性に砂箱が作りたい。でも、またそんな勝手なことして愛ちゃんはどう思うだろうか。

やりたいこと、わくわくすることを選んで進むと、いつも何かしらの不安が出てくる。人にどう思われるだろう、失敗したらどうしよう...。でも、それをひとつひとつ統合して手放していくこと。それが波動を上げることになる。そしてまたやりたいこと、わくわくすること、ひらめきやインスピレーションに従うこと。その繰り返し。そうしてどんどん波動を上げていくことが目醒めの道を進むということ。何かを行動に移してみたとき、宇宙からの後押しがあれば、本当にトントン拍子で事が進む。道がズレていたら反応がなかったり、うまくいかなかったりする。そうやって教えてくれるということも、本当に実感するようになった。

今回の砂箱も、旦那がそういうDIYはお手のもので、私が「こんなん作りたいねん」って話すと、その日のうちに木を買いに行くことになり、次の日には作ってくれた。私の中に、愛ちゃんの反応への心配があったので、メールで相談したら、賛成の返事がきて。いつも私のひらめきを寛大に受け入れてくれて、ほんとに感謝。

そして、砂箱の色塗りとミニチュアの木の製作を愛ちゃんと一緒にした。ふたりとも、「めっちゃ楽しい」ってなんかすごく満たされた時間を過ごすことができた。時間がなくなったので、木はそれぞれ持ち帰って完成させることに。私の作った木は、柳の木のような、風にそよそよ揺れてそうな木。しなやかに軽やかに心地よく風に揺られていたい。今の私にはぴったりな木のように思う。

さて、次は砂を手に入れる旅に出よう。
私の中にはまた、渦巻いたエネルギーがあるのを感じている。

つづく


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