コーヒーを土鍋で焙煎する。
こんにちは。
今日はコーヒーの話しです。
「ニドム」www.nidom.jp はオープン6年目なんですが、オープン時から土鍋で焙煎したコーヒーを提供しています。
土鍋焙煎コーヒーを出してるお店は、あんまり無いと思うので、土鍋焙煎の手順も含めてご紹介したいと思います。
まず、コーヒー豆は、
自然環境に配慮して栽培された、農園の名前がわかる、フェアトレード豆を使用しています。気持ちよく扱えて、気持ち良く飲める事を大切にしています。
土鍋で少量ずつ手焙煎しています。
土鍋で炊いたご飯が美味しい様に、
土鍋で焙煎したコーヒーは、
ふっくら、やさしくも深い味わいです。
豆の旨味を引き出してくれます。
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[土鍋焙煎のやり方]
僕なりのやり方を載せてみます。
土鍋焙煎に挑戦してみたい方のご参考になれば幸いです。
○用意するもの/ 土鍋・木蓋・木ベラ・ザル・軍手・コーヒー豆
○直径30センチの土鍋で、生豆約270g焙煎出来ます。
❶生豆を磨ぎます。お米を磨ぐのと同じ様に、手早く。細かいゴミとか、汚れ、余分な薄皮を除去します。
❷あらかじめ土鍋を熱しておきます。中火で5分くらい。土鍋は「三島土鍋」を必ず使って下さい。他の土鍋だと、割れてしまうかもしれません。
❸よく水気を切った生豆を、熱した土鍋に投入します。強火。この時から、15分〜20分を目安に仕上げます。
❹はじめは蓋をせず、木ベラで混ぜながら、表面の水気を飛ばします。チャーハンを炒める感じで。
❺水気が飛んだら木蓋をします。(木蓋は土鍋にピッタリサイズの物を。市販のを買ってもいいし、自作も出来ます。土鍋の蓋より軽いし、豆から出る水分を吸ってくれるので、良いです。)
土鍋と木蓋をしっかり掴んで、振ります。手前から奥に。豆を土鍋の中で踊らせる様に。チャーハンを炒める様に。焼きムラが出来ない様に、振り続けます。
❻5分くらいすると、豆の薄皮(チャフ)が剥がれて来ます。これが焦げると、コゲくさいコーヒーになってしまうので、取り除きます。煎り途中ですが、豆を一度ザルにあけます。
軍手をした手で豆をよくこすって、薄皮を剥がし、なるべく全部取り除きます。
サーキュレーターなどで、薄皮を吹き飛ばします。豆を冷ましすぎない様に手早く。
❼豆を土鍋に戻します。チャフを飛ばしてる間は、弱火にしておき、豆を入れたら、強めの中火。好みの煎り加減になるまで、ひたすら振ります。
煎り加減の見方ですが、爆ぜる音・匂い・たまに蓋を開けて色と膨らみ具合を確認します。
一粒かじってみるのも良いです。
外は焼けてるのに中が生焼けという事もあります。
何回かやると火加減がわかって来ます。
○焙煎してる時の心持ち
「豆が土鍋の中で気持ちよく踊れる様に」気遣ってやる。
という感じ。誠意を持ってフレンドリーに接します。
「こういう煎り上がりにしたい」といったこちらの要望はあまり考えず、豆を気持ちよく踊らせてやると、おのずと良い煎り上がりになります。
「豆の産地や農園の名前を呼んでみる」「豆の産地の音楽をかける」というのも良い方法です。豆と自分が馴染む感じがします。試してみて下さい。
この時気を付ける事は、この心持ちは、あくまで美味しいコーヒーにする為の”実用的な技術”であって、”感情は入れない”という事です。こちらの余計な感情が入ると、なんとなく居心地の悪いコーヒーになる可能性が高いです。
❽お好みの煎り具合になったら、豆をザルにあけます。すぐにサーキュレーター・扇風機など使って冷却します(余熱で焦がさない為)。
冷めたら完成。密閉容器で保存します。1ヶ月くらいは熟成が進み、甘味が増して落ち着いた味わいになって行きます。1ヶ月以内に飲みきるのがオススメ。
てな感じで、レッツトライ土鍋焙煎♨︎
バチバチ!と豆が爆ぜる時の心地よい音と身体に響く衝撃。
なんとも香ばしい香り。
自分で煎ったコーヒーを飲む。あの人に飲んでもらう。嬉しさ。
ぜひ体験して欲しいです。
土鍋焙煎は、コンロの周りがあまり汚れないので、ご家庭でのマイクロローストにも向いていると思います。
(土鍋焙煎ワークショップなどもやってますので、ご興味あればご連絡ください。)
『余談』
僕が土鍋でコーヒーを焙煎するようになったのは、ミャンマーに住むコーヒー好きの伯父からもらったコーヒー豆がきっかけでした。
地元の若手農業者が、ミャンマーを盛り上げようと、栽培を学び、コーヒー豆農園を立ち上げたという話し。飲んでみると、派手さは無いけども、じんわり美味しくてとてもほっとする味。
その時はじめてコーヒーというものに対して、親近感を感じました。
地球の裏側、どこか遠い国の物・・ではなく、伯父さんの住む町の兄ちゃんたちが、あーでもないこーでもないと、コーヒーという植物を、一生懸命育てている風景が浮かんできました。
このコーヒー、自分で煎ってみたい、と思いました。すぐに生の豆を取り寄せ、独学で焙煎をはじめました。
試行錯誤の末、妻が作っていた「黒焼き玄米」の製法をお手本にしながら、一番素材の旨味と個性を引き出せると実感した「土鍋焙煎」に行き着きました。
今日も農園の傍らに居る気持ちで土鍋をふるっております♨︎
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