ディズニー旅行と美女と野獣

 お休みをとって友人夫婦とディズニーに行ってきた。
12時間動き続ける体力がまだ自分にあるのかと驚きつつ、これが夢の国パワーかと納得。殺人的暑さが猛威を振るう昨今、熱中症だけが心配だったけれど、無事開園から閉園まで遊び切ることができた。
スプラッシュマウンテンは水増量バージョンになっていてシャワーでも浴びたのかってレベルでびしょ濡れ。あそこまでしっかり濡れるともはや笑いが出てくる。上半身はビショビショなのに足元の荷物がほとんど濡れていないのが不思議すぎる。
今回一番感動したのは美女と野獣のアトラクション。カップの形をした乗り物に乗って、美女と野獣の物語の中を進んでいくというもの。クルクル回りながらフワフワ動く新感覚に加えて音楽が素晴らしすぎた。美女と野獣の世界観が好きな人には絶対刺さるはず!

 美女と野獣は私にとって思い入れの深い作品だ。世界観が好みで、いろいろ考えさせられる部分もあって、音楽もとても良い。
初めて映画を見た頃は、野獣が怖くてティーポットさんが優しくてチップがかわいい、くらいの認識しかなかったのだけど、大人になって公開された実写版を見たりするといろいろと思うところも出てくる。
たとえば物語の序盤、ベルが町で暮らしている様子が描かれたシーン。楽しそうな歌声と穏やかそうな生活の中に、必要にベルを風変わりな子だと揶揄う表現が出てくる。本を読んでいる、いつも上の空、自分たちの誰とも違うと。
この閉鎖的なコミュニティに異質なものを受け入れる土壌はなかった。多数派が全てだと疑いもせず、誰もが遠巻きに孤独を与えているような感じがどうにも辛い。どちらの価値観が良いとか悪いとかではなく、自分を理解しないコミュニティに居続けなければいけないベルの気持ちを思うときつい。
そして、ベルを妻にしようとする男・ガストン。言葉を選ばず言うと、私はこの男がディズニー市場最も嫌いである。
どうもこの町では人気者らしいのだが、ベルはまったくその気ではなく、ガストン自身も美しいという理由だけでベルを妻にしようと考えている様子。自己中心的で横暴、ベルやその父をまったく尊重せず、1番の得意技は唾を遠くまで飛ばすことらしい。これはベルにガサツで中身のない人と言われても仕方がない気がする。
実写版でガストンが「戦争から戻ってから何かが足りない」と口にしていることから、彼だって安穏とこの町で暮らしていたわけではないことは分かるし、この町の価値観では首が太くて背も高く力も強い男がモテるのだろうと理解はできる。ただ致命的にベルと相性が悪いだけ。インドア文化系人間とアウトドアスポーツ人間が相容れないようなものかもしれない。
自己中心的で横暴といえば野獣がまさにそれで、彼はその残念な性格ゆえに野獣にされている。ただ彼はベルと関わることで変わり、ガストンは変わらなかった。二人の違いはそれくらいなのかもしれないと思うと少し切ない。
そういえば野獣の本名(王子だった頃の名前)は何なのだろう。

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