「宇宙」を知ることは「自分」を知ること|SF読書録#3「星を継ぐもの」

さとなおラボではじまった「#1000日チャレンジ」。
ついに3週目に突入しました。

私のチャレンジは「#SF読書録」というチャレンジです。

1.SF本(小説・漫画・ライトノベルなど)を1000日で1000冊読む
2.書評をnoteで「#SF読書録 」として1000日で150本書く

今週、読書録として書評を書くのはこちらの作品。

小説版は超有名作品で「SF 名作」で検索するとだいたいどのページにも紹介されている作品です。

私はその漫画版を読みました。

いや〜、おもしろい!名作だと言われている理由がわかります。

この作品、私達の身近にある天体「月」からストーリーが始まります。

©星を継ぐもの(1)

おそらく遠くない未来の地球の調査団が月面調査をしているとなんと5万年前の地球人と思われる遺体が見つかるーというところからストーリーが展開されます。

©星を継ぐもの(1)

この謎を解くために科学者であるヴィクター・ハントが招集され、世界中の科学者と協力しながら謎を解き明かしていきます。

その謎を解き明かしていくことで明かされる人類の進化の歴史、太陽系には実はもう1つの天体が!?、地球人を支配する謎の組織とは・・・などなど大スペクタクルが展開されていきます。

とんでもない話なのに、「本当にそうだったんじゃないか」と思わせる設定の数々・・・放射線年代測定法などの作品を彩る科学的なアプローチがリアリティを生んでいます。

僕がこの作品を見て改めて感じたのは「当たり前」を「なぜそうなっているのか?」と問うことがいかにおもしろいかということです。

この物語では「なぜ月が地球の衛星になっているのか?」ということが物語の鍵になっています。「なんで月があるのか?」なんてなかなか普段考える機会はありませんよね。

実は「月」って人類にとってとても重要な役割を果たしてくれているそうです。

自転を鈍らせる月が完全に無くなってしまうと地球は超高速で自転をはじめる。1日の長さは今の約3分の1。時速数百キロの強風や砂嵐が吹き荒れ、人類の進化の道は閉ざされる。そして、1億年に1度の確率で地球に衝突が起こり、その度に大量絶滅が発生。進化生物学者は、「月が衝突の盾になってくれたのかもしれません」と話す。まさに、月は幸運の象徴とも言える。
もし月がなかったら、地球はどうなる? 毎年4センチ離れ続ける両者の関係性(マイナビニュース)

もし月がなくなったら地球は強風や砂嵐が吹き荒れる星になっていたとか。
作中でも学者が「月がなかった頃の地球」について言及するシーンがあります。

©星を継ぐもの(1)

たしかにこんな星じゃ我々の祖先である猿人は生きていけなさそうですね・・・
※月がない荒れた環境に適応するために恐竜たちやマンモスたちのような哺乳類が巨大なあの形になっている・・・という説も作中では展開されているので恐竜クラスタの方にもおすすめです。

この人類にとって非常に重要な「月」がなぜ地球の衛星として存在するのか?という何気ない「問い」からこの大スペクタクルが展開されます。
想像するってすごいですよね。

中学生か高校生の時になんとなく星の話を勉強します。その時は「月があるおかげで波の満ち引きがあるんですよ〜」ぐらいしか記憶になく、一応自転や公転が関係していることも習いますが、あまり重要だとは思っていませんでした。

天文学者の方々もなんで仕事になるのか?と正直思っていたこともあります。でも違うんです。実は宇宙と我々人類はとても密接に関係しているんです。

この記事を書く今日、たまたまNHKスペシャルで「スペース・スペクタクル」という番組をやっていました。SFチャレンジでアンテナが立っているので思わず見てしまいましたが、非常に面白い番組でした。

第2回のテーマは「ブラックホールの謎」。
アインシュタインが唱えた一般相対性理論のうえで、存在すると言われていたブラックホール。
今年2019年の4月に初めて撮影に成功したというニュースを目にした方も多いのではないでしょうか?

番組中では「ブラックホールがなかったら人類は生まれなかった」という説が紹介されています。ブラックホールは宇宙の中で元素を撹拌する役割を果たしていて、何千光年〜何万光年と離れている銀河と銀河、星と星をまたいで元素を均等配分しているとのことです。

まさかあのブラックホールが、生命とは真逆のイメージがあるブラックホールが、我々の存在に一役買っているとは全く思いませんでした。

番組中でコメンテーターをしていた物理学者の村山斉(むらやまひとし)さんがお話されていた「宇宙を知ることは自分を知ること」という言葉がとても素敵な言葉で印象に残りました。

村山さんがTwitterで発信している新聞コラムもとても面白いのでぜひ読んでみてください!

もしかしたら私が取り組んでいるこのSFのチャレンジは、「宇宙や人類のルーツ、そして未来に思いを馳せること」なんじゃないかと思い、勝手に気分を良くしていました。

来週こそ先週ちょっと書いていた伊藤計劃さん関連の書評を書こうと思っています。現在ルーツを辿って色々読書中。

SFに感謝を込めて。

読んだ作品:17/1000 SF読書録:3/150
↓今週読んだ作品


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