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短編小説

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#サンドリヨンの黒い革靴

こんな恋も悪くない

こんな恋も悪くない

 赤坂にある議員会館で片山津の政策秘書である高柳の手伝いをしていた灰原は、ちらりと壁の時計に目を向けた。
 時刻は二十一時を少し過ぎている。
 片山津も今日は早めに帰宅しており、公設秘書の灰原も特にすることがない。国会答弁のための書類を整えていた高柳を手伝っていたが、それも思いのほか早く終わりそうだ。
「まだ時間があるな……」
 ぽつりと呟き灰原はスマートフォンを取り出した。
『二十二時には終わる

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