ヴァーチャル背景化するポストコロナ
漆黒を進むボイジャーと化す筈だった私の部屋は、緊急事態宣言解除に伴い地球への帰還を果たした。
6月の帝都に降り注ぐこぬか雨と低気圧は、水溶性の鉛に変化し、私たちの身体に重く、重くのしかかる。
ポスト震災のとき同様、私たち日常はセカイ系的社会の終焉を迎えることなく、徐々に新しい生活様式とやらにクロスフェードしていき、やや最悪な現実として目の前に現れた。
全ては忘れ去られ、仮想化し、そしてまた同じような過ちを私たちは繰り返すのだろう。
電車を乗り換える度に、車内では遅延を知らせる