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日本刀は美しい

しばらく離れていた趣味だったが、私は前から美術品が好きだ。

特に日本刀が好きで、本を読んだり鑑賞会に行ったりして楽しんでいた。

以前は学芸員になるのが夢であって、周りにもそれを公言していたが、今の学力やかかるお金、これからしなければならない苦労、低い就職率などを理由に刀は趣味と割り切ることにした。

それでも、夢を諦めてしまったという絶望感が付き纏ってつい最近までは刀を見るだけでも辛かった。応援してくれた人にも会えなくなっていた。

しかし、今日は久しぶりに日刀保の鑑賞会に行くことが出来た。

やっと自分の中で気持ちの整理がついて、応援してくれた人ともまた会うことになった。

応援してくれたのに諦めてしまったことに対する謝罪とこれからも趣味として続けるのでよろしくお願いしますということを伝え、また快く迎えてくれたその人たちに感謝した。

夢を諦めることで、人間は大人になれるのだろうか。

私はこの夢を願ったことをいつか黒歴史だと思ってしまうかもしれないし、諦めたことに一生後悔が付き纏うように思う。

人生は妥協の連続。

しかし、妥協してよかったのだろうか。

本当に失ってよかったのだろうか。

私の人生は、馬鹿らしい。

それでも、今日見た刀は美しかった。

以前本で見た知識は完全には失われてはいなかった。

とても、楽しかった。

いつかの大切な恋人のこと、望まない、さよならも言えない別れのこと、夢への諦めのこと、人生への諦めのこと。

いつか話したい誰かが出来たら、

思い出を、私の人生を捧げたい誰かが出来たら、

その時こそ、人生の目的を終えた瞬間であり、もう死んでもいいんだと思う。

その誰かはいつ現れるかな?

出会ってしまったら、ずっと一緒にいたくて死ぬのが惜しくなるかもしれない。

その瞬間を、待っていたいと思う。

これより、日本刀の話を少しする。

興味ない人は読み飛ばしてくれ。

入札鑑定という刀の年代や作者を当てる鑑賞会だったのだが、私はまだ全然わからない。

共通の趣味の友達も来ていたので話しながら年代だけは予測する。

思いっきり外れた。古刀だと思ったのが新々刀だった。

入札番号4番の刀がとても好みだったが、固山宗次の十八番の作風だそうだ。

固山宗次知らないけど好きだった。先生の面白い解説曰く、同時期の源清麿と比べると清麿は自由奔放、固山宗次は型にはまった役人気質。どちらも名工で感じが違うそうだ。

先生は難しい話をわかりやすく解説してくれるのでとてもいい。

身バレ防止のためお名前は伏せさせていただく。

かなり疲れたが楽しかった。今日はよく寝る。

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