AKIRAの今更感想「彼が本当に欲しかったものはなにか?」

AKIRAはじめて観ました
デコスケ野郎のくだりやバイクアクションについてはオタクの端くれとして知ってはいましたが、その程度の事前知識です

まずは膨大な書き込み量に圧倒されました
これだけで観る価値があると思います
爆破のつぶてや水のしぶき、すべてに不自然な動作がなく書き手の意思が見えます
だからとにかく観ていてすごく気持ちがいい
きれいに写すだけならできるけど、それを魅せるものに変えるのは難しい
アクションありきでなく話を補完するものとしてそれらを使っています
感情が爆発するシーン、静けさ、台詞も魂からのものでスッと入ってくる感じ

ストーリーも良いです
まあこんなの語り尽くされてるんでしょうが…
鉄雄の力が強大になるにつれ、彼の哀しさがあらわになっていきます
金田に対する感情は嫉妬もあるでしょうが、本質は「彼と対等でありたい」「今度は自分が彼を守りたい」という一念であったろうと…
そう考えると涙がでそうになります

彼は速いバイクが欲しかったわけではなく、金田にとってのあのバイクになりたかった
唯一無二の相棒に
切ない話だと思います

話のオチはあっさりとしていますが、私は良いなあと思いました
希望のあるラストだと感じます
星に届いた鉄雄はいつかまた自分のもとへ帰ってくるかもしれない
たぶんそれを信じ、金田はガレキの上で生きていくのだと思います

良い作品でした
伝説になるのも納得


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