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カッテ2エッセイ 2024. 5. 25. 「鳥取、万歳!!」


今日は取り敢えず、4時過ぎに目覚ましをかけた。飛行機の時間は9時10分。チケットの決済は7時10分までにする。起きてもまだ迷う私。取り敢えず、朝ごはんを食べて準備をする。


家を出る。4時50分くらいの電車に乗る。いい天気になりそうや。そして心を決める。チケット、買います!まさかの楽天カードで認証できず。そうか、やはり止めよう。と思ったけど、もう1枚のカードで試す。やはりダメか。いや、番号間違っているよ。ってことで3回目はスムーズ。もう行くしかないよ、TOTTORI。


さて、久しぶりのANA。嬉しいなぁ。ANAのいいところはまず第2ターミナルの端っこに蔦屋書店とスタバのお店があること。ここから離着陸が見える最高な場所。だから来たかった。6時半からスタバはやっているのでそれに間に合うように行く。基本、空港大好き人間なので飛行機に乗るためだけに空港を利用することはない。


必ず、数時間前には到着して自分の身体を空港で満たすのだ。調子に乗ってシュガードーナツも注文。そしたらなんとモーニングはまさかのワンサイズアップができるらしい。なんだ、そのシステム。なので迷わずトールにしてくださいとお願い。





本も読めて、スタバ飲めて、目の前には飛行機。ここは私の幸せ空間でした。本当に。一番、好きな蔦屋書店かもしれない。もう雰囲気が最高。行ったらわかります。基本、この蔦屋があるのは国際線なので、みんな大きい荷物を抱えているのと外国人が多いのもいい。そしてターミナルの端っこにあるから人が少ない。アメージングです。



ということでさぁいざ、トットリへ!!飛行機だと1時間15分くらい。本当に飛行機を発明したライト兄弟には感謝しかない。海外へ行くときもいつも思う。ありがたい。基本、飛行時間が短い時は窓側。長い時は通路側と決めている。トイレ問題があるので。今日は運良く窓側に座れたのでラッキー!


飲み物はスープ派です。ANAの機内に入ると葉加瀬太郎さんが作曲した曲が流れている。私はJーWAVEで葉加瀬さんのラジオを聴いているのでこの曲は毎週聞いている。だから親近感ありまくり。


ちなみに昨日も先週分の放送を聞いた。古市憲寿さんがゲストで。そして昨日、葉加瀬さんが2回くらい言っていた言葉。「人生は一度きり」と。思えば、あの時にすでに今日行くことを決めた。ありがとう。太郎さん。




ということで本を読みながらあっという間に、とっとり。お腹空いていたけど、それよりも早く展示が見たくて先を急ぐ。空港から鳥取駅まではバスで20分くらい。近いです。480円。駅から旧吉田医院は徒歩で10分もかからない。鳥取民藝美術館が道路を挟んであって、たくみ工芸店はそのすぐ横、そしてご飯が食べられるたくみ割烹も並んでいる。メッチャアクセスいい!


さぁ、入ります。旧吉田医院。テンションMAX。やはり建物が素晴らしい。何度来てもステキだなと思える空間。ここには濱田窯の晋作さん、友緒さんという濱田庄司の息子、孫の作品も並んでいる。三代展。どの部屋に行っても濱田窯の作品が並んでいる。



そして。そして。急な階段を昇って濱田庄司の作品が現れる!ぎょえー!たぶん、脳汁が出ていたと思う。興奮。やはり来てよかった。芸術ってなんでもそうだと思うけど、本物に勝るものはなくて。だから絶対に生で見た方がいい。写真を撮ってもその作品の良さは正確に伝わらない。いつも思う。


写真と本物はなんでこんなに違うんだろう。って。そこにある空気というか。佇まい。「写真には写らない美しさがあるから。」とヒロトもリンダリンダで歌っている。それは違うか。


ということでじっくり鑑賞。すんごいのは触ってもいい。むしろ、どんどん手に取ってくださいって。買い手がついている作品もあるけど、もちろんそれも直に触れて見られる。濱田庄司のような大物の作品になると、中々こうはいかないらしい。とてつもなく貴重な体験。これだけでも本当に来て良かった。濱田庄司の作品を実際に触れて、見られるなんて。

たくみ工芸店の人も言っていたけど、「たぶんこんな機会は二度とないと思います」って。私もそう思う。そもそも新しい作品がまた蔵から出ることは早々ないだろうし、ましてやそれを鳥取で鑑賞できるなんて奇跡に近い。だったら益子でやりましょうってなるはずだし。色んなことを加味してもやはり今日は貴重な時間だった。


ちなみに濱田庄司という人は益子で濱田窯を始めて、民藝でも有名な柳宗悦さんにも認められている偉大な陶芸家さんの1人です。益子焼は聞いたことがある人も多いと思います。正直、私も器に興味をもつまでは民藝?柳宗悦?これ、なんて読むの?正解は「やなぎむねよし」です。みたいな感じでした。



私は最初は国立にある「カゴアミドリ」というお店で竹細工のお箸入れを買ったところからスタートした気がする。インスタかなんかで発見して、なぜか竹細工に魅せられてお店に行ったら素晴らしくて、気づいたら購入してた。竹に入れたお箸たちがいいんだな。100均のプラスチックケースとは全然違う。見るたびに顔がほころぶというか。


そこから竹細工で有名なのは大分なのか。とか。え?民藝品?とか。で調べて器に到着。みたいな流れです。そこからはもう沼ですな。いいのは正解がないこと。自分がよきと思ったもの、使えそうな器などを買えばいい。自由なんですよね。人と比べることじゃないというか。買わなくてもいい。そこがいい。


ということで濱田庄司の作品を堪能。何度も足を運ぶ。途中、近くのたくみ割烹でランチもする。脳を使うとお腹が空きまくる。カレーとハヤシライスのハーフ&ハーフ。

うまいし、器も店の雰囲気も最高です。最高すぎて写真を撮りまくる。


そして午後の14時から山根窯の石原さんの濱田庄司さんについてのトークショー。私は器にハマった2年前に鳥取と島根の窯元を巡る1週間の旅を決行しまして。ただひたすら気になる窯元へ車で直接行き、自分の心に響いた器を買いまくり、そして寝台列車で帰る。みたいな。


その時にたくみ工芸店も行ったし、山根窯へも行き蕎麦ちょこと湯呑みを購入。今でも使ってます。なので石原さんの話が聞けることが嬉しい。最高だな。今日は。


その後で飾ってある濱田庄司さんの作品についても色んな話が聞ける。やはり今回の機会は珍しい。貴重。作品も素晴らしい。あー。良かった。来て。やって後悔することはない。やらなくて後悔することはたくさんある。これ、今日の学びです。


そして、そして。実はですね。最初にここに来た時から気になった湯呑みがあった。私だったら、これ欲しい。みたいな。欲を言えばお皿も欲しいし、茶碗も欲しい。でも富豪じゃないから買えない。湯呑みならギリギリ買えるか。買うのか?いや、高いよな。


でも一生に一度の機会だということはたくみ工芸の人と話しても、石原さんの話を聞いていてもわかる。たぶん、私が生きていて濱田庄司の作品を直に触れて、観て、買うことができるのは「今」しかできない。それだけは痛感している。



でも迷う。値段は言えないですが高いんです。何十万はしないけど、マジで「清水の舞台から飛び降りる」ということはこのことだなって少しだけ痛感。湯呑み一つにこの値段。でも、触るたびに。観るたびに。これでお茶を飲みたいと思ってしまう。


どうかしてるぜ。と自分でも思うので、近くのデパート→旧吉田医院、鳥取民藝美術館→旧吉田医院、たくみ工芸店→旧吉田医院のエンドレス。湯呑みをじっくり鑑賞することを繰り返す。悩め、悩め。しまいには、たくみ工芸の人たちが旧吉田医院でコーヒーを飲んでいてそれも頂きました。「あっ、また来ましたね。良かったら飲みます?」みたいな。なに、してるんや。


ちなみに私はこの鳥取日帰り旅を過去に2回しています。だから今回、悩んでいた。3度目もあるのか。まさかな。みたいな。しかも夜勤明けからの姫路まで新幹線で行き、そこから特急とかに乗って飛行機以外でも鳥取を訪れている。



この「鳥取」の県名の由来は奈良時代に白鳥や水鳥を捕まえて貴族に献上する「鳥取部」と呼ばれる集団が住んでいたことに由来するらしいです。安西水丸さんの「鳥取が好きだ。水丸の鳥取民芸案内」の中の一文です。この本、最高です。鳥取のについて書かれている本の中で一番好き。まぁそれはいい。うるさいよ。私。すんません。


昨日までは鳥取行きを迷っていたのに、今はもう濱田庄司の湯呑みを買うかで迷っている。でも自分の心は決まっている。そう。今日は一生に一度の機会。中々ないぜ。と言い聞かせる。


もう時間は迫っている17時10分発の空港行きのバスに間に合わないといけない。17時に出発すれば間に合う。あと、40分。どうする、私。



「人生は一度きり」また葉加瀬さんの言葉がよぎる。気づいたら「買います」と伝えていた。え?買うの?自分でもびっくり。でも買う。新しい結婚相談所に入会しようとしているのに。でも、でも。買わないで後悔するより買って後悔したい。誰やねん。私の言葉です。すんません。


たくみ工芸の人には「いいんですか?」と聞かれ「いいんです」と答える。ジョン・カビラになった気分です。そんで、鳥取民藝協会に入ればたくみで購入した商品が1割引になるからなった方がいいですよと言われる。


まさかの全国の民藝館が無料で入れる。入れないところもあるみたいですが。
昨日、行った日本民藝館も。そうなのか!ということで鳥取民藝美術館で手続き。今日の入場料の500円も返金された。東京に住んでいるあたいが鳥取の民藝協会に入りました。不思議ですね。人生は。



なんだかんで手続きして、17時前に出てなんとか出発前に間に合う。頭、おかしくなりそう。でも、でも。こんな1日は中々ないな。すんごい散財したと心が震える。来月のボーナスに思いを馳せる。そんなことを思いながら帰路につきましたとさ。


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