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太田記念美術館 小林清親

小林清親 「闇と光」
(太田記念美術館にて)

彼は西洋の油彩、写真を学びそれらを日本の版画に落とし込む事で、自らの作家性を確立した人物。

「彼は伸びやかに跳ねる捉えようも無い光と、沈みゆく闇の枷を外して、描こうと努めた人物。世界に対して己の視点で輪郭を持つもの、持たざるものを描き分け気配、及び予感を描く。それは後に画面を守るものと脅かすものとなって絵はその縁を超え、私たちをひとくちに飲み込もうと勢いづく。すると私たちはその郷愁に手を引かれ、愛しき日々に嘆く。
時に印象派に似た手法で光を掴むと誤解されるが、彼は物質(光)だけでなくその情念を繊細に、かつ緩やかに描くので日本的霊性を感じる。
彼は光と闇の、その淡いに溶け合う美しき画家だ。」

2022.11.13 秋の日暮に

・御茶水蛍(明治12年)

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