M・シュナウザー ベルの乳腺腫瘍摘出手術の記録

 本日はエッセイではなく、飼い犬ベルの乳腺腫瘍摘出手術を終えるまでの記録です。ネットに細かい経験談がなかなかないので、高齢犬の経験談として記してみます。誰かの参考になればいいなあ、と思っております。

 記録するつもりが元々なかったので参考になるような写真はないのですが……文章だけでもよろしければ、読んでみてくださいね。

※記憶に基づくものであり、抜けている部分があったりします。あまり正確性には期待しないでください。

※自前のではなくネットで見つけた参考になりそうな画像を載せています。腫瘍の画像などがあるので、そういうのが苦手な方は注意してください。

ベルのプロフィール

・ミニチュア・シュナウザー(メス)

・今年13歳

・避妊手術はしていない

・慢性的な皮膚病持ち。そのためたまに病院通いはしているが、その他の病歴はなし。内科的には健康。

しこりを見つける(2018年頃)

 ベルが10歳を過ぎた頃、身体をわしゃわしゃと触っていると乳首あたりにしこりを発見。普段あまり乳首のあたりは触らないためいつからあるか分からない。大きさは3cmほどで、乳首が盛り上がったような感じ。固かったです。

(参考画像より小さめの、1/3サイズくらいでもうちょっと盛り上がりがないくらい)

画像1

 ネットでこのような画像を見つけ、乳腺腫瘍かも……と思いかかりつけの病院へ。先生に「乳腺腫瘍ですね」と言われました。いつからあるか分からないと伝えると、大きくなったり変化するかどうかの様子をしばらく見ましょうということに。

 あまり変化がないようだったら良性の可能性が高い。大きくならないのであれば、ベルの年齢も考慮して手術はしない方がいい。悪性であれば今のうちに手術で取ってしまった方がいいとのことでした。

 それから数日に一度は腫瘍をチェックするようになり、全く大きさが変わらず色なども変わらないので様子見が続きました。結局、1年くらいサイズも何も変わりませんでした。

 この時期は、犬の麻酔リスクにかなりビビっていたので、歳も考慮して良性なら手術はしないでおく方向性でなんとなく考えてました。

*この病院では手術1泊につき5万円ほどの費用が予想されると伝えられる。

急にもうひとつのしこりが出現する(2019年〜2020年 年末年始)

 乳首のしこりチェックが日課として定着していた。すると年末のある日、急に他の乳首の付近に新たなしこりを発見してしまいました。週に一度以上はチェックしていたので、数日のうちに急にできたことになります。

画像2

 形はこの画像のようにボール状になっており、これより一回り小さいくらい。最初の腫瘍よりもこりっと固めな感じがします。

画像3

 そしてついでによーく見てみると、最初の腫瘍の方の乳首が、写真のかなり初期症状ver.のような感じになってました。乳首がほんのちょっと自壊?(自壊とは言わないのかな?)しているような、ほんのちょっと切れ目が入っている感じ。

 この頃は都内から栃木県小山市の現在の家に越してきていました。秋頃にダニがついてしまい、新しい病院を見つけその際ついでに腫瘍の相談もしていました。そのときには「様子を見ましょう」と以前の病院と同じ流れになっていました。

 その病院に見せにいくことにしましたが、ちょうど年末年始の休み中だったので、「悪性で進行が早かったらどうしよう……こうしているあいだにも体調が崩れたりしたらどうしよう……」と思いつつ正月の病院の休み明けまで待ちます。

 先生に見せると「新しいものが急にできたということなら、手術が必要になるかどうか判断しましょう。検査しちゃおうね」と言われます。

検査(同日)

 血液検査と、転移の確認のためレントゲンを撮ることに。血液検査の結果は後日に、レントゲンはその場でチェックできます。結果的には転移しておらず、表面に見える腫瘍だけ取ればよさそう、ということに。

 あとは血液検査で不安点がなければ手術できるので、そうなったら手術するかどうか決めてくださいねということになりました。そして、その後出た検査の結果も問題なし。心臓なども心配がないので手術はできそうということになりました。

*血液検査、レントゲン2枚などで1万ちょっととかだったかな?2万したかな?すみませんあやふやです。

手術の不安点、麻酔について。するか悩む理由など

 獣医さんからすると乳腺摘出手術は難しい手術ではないそう。問題なのは麻酔

 犬は人間のように麻酔が合う合わないの検査が事前にできないようで、低い確立ですが麻酔が合わない子はそのまま起きてこなかったりするようです。

 ベルがもっと若ければ、ここまで悩まなかったかもしれませんが高齢犬なのでより不安に。良性なら手術は避けてあげたい。しかし悪性だった場合、内蔵系に転移などして生死に関わることになります。肥大化して手術ができない状態になるなどするのも避けたい。でも悪性かどうかは手術してみないと分からない。悩ましいポイントはいくつもありました。

 なんとなく「麻酔リスクは、そうはいっても低いし、検査に問題はないしベルも元気だし、手術はしようかな……」と悩みつつも方向は決まっていましたが、手術する決め手になった出来事があります。

 実はレントゲンを撮った際に先生の見間違えで、「あー、肺に転移してるかもねこれ……転移しちゃってたらあとは延命治療と痛みを和らげることしかできなくなるね。もう歳だから抗がん剤とかも可哀想だし……」ということを言われたのです。私大号泣。「「ああ、この子はもう手術もできないんだ。今は元気なのにこれからすぐどんどん体調が悪くなっていくんだ……嘘でしょ、こんな急に……」」頭の中はパニックに。「一応別角度からもう一枚撮ってみるね」とレントゲンを改めて撮ると、何かの影で転移ではなかったことが判明。「泣かせちゃってごめんね……」と先生。いらぬ悲しみを味わうハメに。

 その見間違え事件があったので、転移をしてしまったときのシミュレーションを思いがけずすることができたんですね。一瞬ですが、転移したら、もうできることがないんだ。という経験をしたため手術を延ばし延ばしにして後悔はしたくない、と心が決まったのです。

手術するまで(1月下旬)

 手術することを心に決め、そこから手術日を決めるまで数週間かかってしまいました。決めたからには進行する前に早く手術しないとなあ、と思いつつも、不安でなかなか病院に連絡できない日が続きました。

 最悪の事態を想像してしまったり、金銭面の心配も少なからずありました。ベルの元気な顔を見ては涙ぐんでしまう、みたいなことを繰り返しておりました。

 でもそんなことも言ってられないので、下旬あたりに病院へ行き日にちの相談をして2月頭に手術をすることを決めます。

手術当日の流れ(2月頭)

 前日の夜0時から断食、水は少しならOKとのこと。手術は、病院のお昼休みにしてくれます。預けて帰宅してもいいし、手術終了まで待っていてもいいとのことだったので待つことに。

 ベルを連れて行き、まずは注射で鎮静剤を打ちます。抱っこして数十分待ってくださいと言われたので抱っこしているとなんとなく落ち着いてうとうとし始めます。スタッフさんが様子を見にきて、そろそろ大丈夫とのことでベルを手渡しました。

 そして手術開始。1時間半くらいと言われていましたが1時間もしないくらいで終わりました。手術室に行くとベルは寝てますが、もうちょっとしたら目を覚ますと言われて10分くらい?待つとぴくっと動き始め、声を掛けたりしていると少ししたら目を覚ましました。ここでようやく安心です。麻酔がまだ効いているから無意識に動いているだけとのことでしたが、手を舐めたり、私の方に身体を向けようとしたりしてくれたのでほっとしました。

 当日病院にいるうちは麻酔で起き上がってこないものだと思っていたので、思っていたより不安な時間が最小限で助かりました。目が覚めたのを確認したので、私は帰宅しました。入院は3泊、抜糸は10日後に。抜糸するまではエリザベスカラーを付けて生活します。

 様子を見にきていいと言われたので、次の日会いにいくともうすっかり元気そうでした。会いにいった時までは点滴で、ドッグフードを食べさせてみると元気にもりもりと食べたのでそのタイミングで点滴も終了しました。

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 そして3泊入院して向かえにいくと、「元気すぎて鳴くのでとても迷惑だった。早く連れて帰ってあげてくれ」と先生に言われるほどに。

 家に連れて帰ると、カラーが邪魔なのか少し大人しいが、取ったり散歩したりするときは元気。全く心配のない術後でした。そして抜糸も無事終わり、以前と変わらず元気に元通りになりました。お腹のキズも現在はかなり綺麗になりつつあります。

*入院3泊、手術や点滴などの費用を合わせて14万円弱の支払い。この病院では退院時に会計でした。病院によってはある程度の額を入院時に支払う場合もあるみたいです(ネット情報)

手術をしてみて

 取った腫瘍の病理検査の結果、最初にできていた腫瘍は良性、2つ目の腫瘍は悪性でした。手術しなければ、転移したり急に大きくなったりしたことが予想されます。結果的にはうまくいったので、手術してよかったあ〜。と思っています。でも色んな可能性もありますし、こういう場合は悩まずに手術するのがおすすめです!とは全然思ってません。わんこさんの状態や病院との相談です。

 先生的には難しくない手術だけど、リスクは低いけどある。決断するのは飼い主です。2箇所の病院ともそんな感じに言われました。色々調べて、悩む他ないようです。

さいごに(避妊手術についてを少し)

 避妊手術をしていれば、乳腺腫瘍はできません。子どもを産ませる予定もなかっただろうし(実家の親にそのつもりはきっとなかったはず)避妊手術させてあげておけばよかったかなあ、と少し思ってます。

 新たな問題提起になってしまうのであまり言及しませんが、次にもし子犬からわんこを向かい入れる機会があったら、避妊か去勢はするだろうなあ、と思います。そこも、麻酔リスクを伴うことなのでそれはそれで悩むのでしょうが。うちの母とかはそれを心配して避妊手術をしていなかったことが予想されます(私は当時そこらへんはノータッチだったので……)。


 というわけで、うちのミニチュア・シュナウザーのベルが経験した、13歳手前での乳腺摘出手術はこのような流れでした。元気に帰ってきてくれてありがとうよベルちゃん。

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 おわり

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