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濁点が決め手だった。【毎週ショートショートnote|お題「ときめきビザ」】参加記事

たらはさん、お題ありがとうございます。貼付記事以下、参ります。

「この1枚で、あなたは世界の全てを自由に旅することができるのです」

説明する係員、その顔色はやや赤らんでいて、結膜が充血している。発行は困難を極めるのだろうか、興奮している心情が聞いているこちらにも伝わってきた。

1枚だけで全てを体験することなど、本当にできるのだろうか。今一つ信じられない。渡された書類を手にして、しばし迷う。

現状に強い不満があるわけではない。けれど、このままの毎日が続くのも何かが違うと、心の奥底で囁く声が聞こえてくる。

「残り枠はあと僅か。10名を切りました」

迷う間にも、門はどんどん狭くなっていく。どうする。事なかれ主義のままに、門戸が閉められるのを呆然と見送るだけにするのか、それとも—


私は、目の前の書類を持ち直し、筆記台の上に載せると、自分の住所氏名を記しはじめた。


「確かに受け付けしました。あなたのお宅の玄関先までお届けします、ご自宅で暫しお待ちください」

その言葉に頷いて帰宅した。半日後、待つ私の元に届いたのは—

世界各国の名産物をこの1枚で!地球一周ピザ!!


半濁点=ピザかよ!そっちじゃない、濁点=ビザだ!!」


届けられた半濁点をやけ食いしながら、私は自由への切符=ビザを手に入れるための方策を練りはじめた。動悸を堪えながら。


拙稿題名:濁点が決め手だった。
総字数:525字


よろしくお願い申し上げます。



Xの有料会員が利用できるAI、Grokにて生成したシーフードピザ。ヘッダーに使用するとネタバレ(笑)するのでこちらに。なお、ヘッダーの地球はMicrosoftCopilotによるAIイラストです。転載禁止をご理解賜りたく。



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<©2024春永睦月 この文章は著作権によって守られています。AI画像はフリー素材ではありません。無断使用及び転載等はお断りいたします〉
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