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その関係、重さは数字のみに非ず【毎週ショートショートnote|お題「友情の総重量」】参加記事

遅刻💦締切承知でペタ記事以下を参るご無礼、何卒お許しを(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ペコ

森羅万象、物質、形状を為さぬ概念でさえも、その質量を測定可能なシステムが遂に完成した。人々はそれに恐れを抱きつつも、内なる好奇心に抗えず手を伸ばす。

まず試されたのは、恋愛の総重量である。それを明らかにすることで、それぞれのカップルに何が訪れたのか、ここでは話題の本筋と異なるため、リポートは割愛したい。


とある街に、ごく普通の女子がふたりいた。ふたりとも、取り立てて目立つ存在ではなく、成績も容姿も中くらい、ついでに言うなら身長も中間だった。名前も中間。山の中腹、という言葉が彼女たちにはピッタリだった。


二人の名前を仮名かりなとして付けておこう、AやBでは煩雑だから。

夏美は高校に入学してすぐに卓球部に入部した。

「地味、暗い、空気椅子……って言われる」
「最後の、単にトレーニング名じゃん。卓球ってハードスポーツじゃない。やっかみやっかみ。ほっとけ?そんなこと言う奴」

夏美の言葉を受けた秋名が言葉を告げる。右手をパタパタと卓球のラケットのように振りながら。その秋名が所属するのは卓球部ではない。

「地味なら私のこそ。ウォーミングもトレ本番も、クールダウンも走ってばっか。気が知れないって言われるもん」
「800メートル走は尊敬の極み!気にしちゃ負けだよ」


卓球部で日々研鑽を積む夏美、陸上部で中距離走に励む秋名。分野違いの彼女たちは、よき友情を築いていた。


そんな彼女たちだったが……10代の好奇心には勝てなかった。彼女たちの友情が測定される。数値は—


「3、2、1……あ、表示された」
「どれどれ……何て出たの?」

カウント・ゼロ。


「マジかぁー。ゼロなのかー」
嫉妬がマイナスで、差し引きゼロって解釈、どう?」

笑いながら嘆く夏美に秋名が言った言葉に、夏美は大きく頷いた。


友情の総重量。それを明らかにするのは、実は数値以外の事象である。


拙稿題名:その関係、重さは数字のみに非ず
総字数:808字(原稿用紙2枚相当)

よろしくお願い申し上げます。


女子高校生の足下と白いスニーカー。MicrosoftCopilotによるAIアートです。



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