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#85 ごぼうの美味しさ再発見

#実践  #風景をつくるごはん #本

今日は「風景をつくるごはん」と消費者行動と流通に関することを少し書いてみる。そして最後に関連本を2冊紹介する。

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土付きゴボウって、洗うの面倒だし久しく登場していなかった。今日の「風景をつくるごはん」前回の記事でも登場した、坂ノ途中の宅配野菜に入っていたごぼう。

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生産者は、小路 健男 さん(北海道安平町)

たたきごぼう

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坂ノ途中のレシピを参考に作りました↓

調味料は、ごま、醤油、みりん、お酢。
叩いて茹でたごぼうと調味料をあえるだけのお手軽な一品。

きんぴら

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きんぴらはこちらのレシピを参考に↓

泥付きのゴボウを洗うときはは“ヨコ(ゴボウが生えてる地面と水平)方向に”洗うと良いそう。初耳だった…

写真は、ささがきごぼうをレシピ通り水にさらさなかったもの(左)、と比較のためさらしたもの(右)。食べてみるて香りの違いに驚いた。醤油とみりんの味付けなのでゴボウが変色してもさほど影響はない。むしろ美味しそうに見える。

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消費者と流通のあり方

季節の野菜セット(自分で選べない)には、普段手を出さない野菜も当然含まれる。使ったことない野菜が届いたらどうしよう、と思うかもしれないけれど、簡単なレシピも提案してくてるのでその心配はない。こういったことが季節の材料でご飯づくりを工夫することにつながる。そして食材の選択肢も広げてくれる。

これと似たような話が「管理される野菜」という本に書いてあった。

 引き売り、朝市では農の論理、食の基本原理が守られながら、商品としての野菜の販売が行われている
それが可能であるのは、これらの商品流通が、商売でありながら自給の延長であるからだ。
本当の味がわかる、おまけが規格外品の消費を増やし、選別の無駄を教える。さらには漬物などの加工品を通して調理・加工法が広がり、食生活が豊かになっていくと同時に、野菜の選択の幅が広がることによって、地域自然に即した生産もまた守られる。

「日本の食と農」では、消費者の利便性追及のために犠牲になったものもあるとし、振り売り(引き売りと同義)もその例としてあげている。(p.30)

さらに「日本の食と農」の著者はこんなことも言っている。

食の改善のために利便性追及を見直す覚悟(用意)ができているかどうかを、まず消費者が自らに問いただして欲しい。その覚悟がないのに、食の改善を求めるのは、消費者のエゴである。

自分も忙しい時は便利なお惣菜や冷凍食品を使うこともある。完全に使うのをやめるという極端な思考ではなくて、そう言った商品との付き合い方をよく考えた上で食べるものを選択したいと改めて思わされた。

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管理される野菜」に書かれていた、“食の基本原理が守られながら、商品としての野菜の販売が行われること”についてもう一歩掘り下げると、徳島のスーパー「キョーエイ」のすきとく市、直売所のレシピ付きの切り干し大根などは同じ要素を含んでいると言えるだろう。もしこの原理での流通が広く実践されたならば、食の豊かさは地方と都市で逆転するのではないか?(東京は砂漠のようになってしまいそうだ。そもそも都心で行ったいどれくらいの種類の野菜が育てられているのかわからないが…?)

また他の疑問として、
特に都市部での消費者の選択を助ける農産物認証はその機能を本当に果たしているのだろうか?という疑問がある。その基準自体もそうだし、伝え方もだ。

そして、きちんと理解している消費者はどれだけいるのだろうか?そもそもきちんと伝えようとしているのだろうか?また生産する農家も理解しているのか?流通経路が複雑に大きくなったことで必要になった認証制度が、消費者の選択の複雑さに拍車をかけているような気もする。

このようなことを知るためにも、農業や流通の本質な問題構造についても引き続き勉強していきたい。

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今日登場した本はこちら↓


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