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初めての出産ログ👩‍🍼

2022年12月23日6時54分
3172g 51cm

ついにご対面が出来た新たな命との物語。

このときの出来事と感じたことは、忘れたくないけど、記憶力には自信がことさらないので、ここに残しておこうと入院中の手が暇なベッドで記し始めてみる。

(読んでくださる方へ、ものすごい長文です。)

12月25日が予定日。
「誕生日がクリスマスだと周囲がクリスマスモードで誕生日が薄れちゃうのは可哀想だからなぁ。」と前後にずれて欲しいと密かに願う私。
「めでたくていいじゃん。」の旦那さん。

前回検診時、「年末で人手が少ないときに産むより人がいる内に産んじゃおうか?」=陣痛促進剤入るかも宣告を受け、27日までに陣痛がこなければ入院予定となっていた。

そんなこんやでそわそわし始めた頃の22日。
最近は家にいることが多かった旦那さんは、この日が年内最後の山場で忙しいらしく、昨夜は徹夜で朝帰ってきて風呂だけ済ませて朝からいなかった。「今日だったら出産立会い出来ない。」と言われていた。

11:00頃 おしるし発動
検診の日に内診されてから血が出ることはあったけど、「これは絶対おしるしや!」とわかる粘っこい出血が出る。
調べるとすぐにおしるしの後すぐ陣痛きた人もいれば、1週間後だった人もいるし、いつもの人それぞれという結論。なんとなく平均的には2〜3日後のようだったので、「陣痛くるまで諦めよう〜でも念のためごはん買い出ししとこ〜。」とスーパーへ。
旦那さんが一緒だと食べない野菜を食べたくて、小松菜とじゃこのパスタ🥬、一本29円の太い人参🥕を温野菜にしてランチ。

14:00頃 腰痛発動
と言っても、妊娠中からずっとお付き合いしてる腰痛さんなので、あまり気に留めず「今日は腰が痛い日かぁーやりたいことあるのになぁ。」くらいの気持ち。
ポストに予約してた本が届いていてチラ見したら、腰の痛みを紛らわす面白さで引き込まれるように読み進んでしまい、読了📖

赤ちゃんを迎え入れるお家はきれいにしとかんと!と、12月頭から始めてる大掃除の残りを少しずつ進めるべく、冷蔵庫の中身・サーキュレーター・ウォーターサーバーに合間で手につける。そのせいでウォーターサーバーが壊れて電話し、25日に交換に来ることに。微妙なタイミングだなと、旦那さんに頼むメモだけ作成しておく。

やると決めてたタスクもある程度進めようと、椅子に座って2時間程PCに向かうも、腰に限界がきて「明日があるさ。」と断念。

麻婆茄子とポテトグラタンという謎の組み合わせをつくって夕飯を済ませ、21時からのオンラインmtgに向けて腰をお休みさせるべくベッドゴロゴロ🛏

mtgには久しぶりのメンバーも参加できて、最後には全員集合できる思わぬ嬉しい状況。「それ私明日やっとくね〜。」とまだ余裕ぶっこいてる私は、何個かタスクを引き受ける。
最後の20分くらいは腰が痛くなりもぞもぞ始める。陣痛かもとは頭にかすりもせず、「さすがに2時間座るのがきつくなってきたなぁ。」くらいの気持ち。

23:30頃 おしるし2回目発動
mtg後トイレにて2回目のご対面。ナプキンしといた自分を褒めつつ、性状確認。念のためおしるしと破水の違いを確認し、おしるしだと確信得て安心。

旦那さんはmtg中に帰宅したようで、爆睡中。
腰痛強めな感じはするけど、これくらいの痛さは今までもあるので、湯船に浸かっても痛さ変わらなかったら考えようと、お風呂へ🛀

23日
0:00頃 陣痛疑惑開始
湯船で浸かってる内に良くなるどころか腰痛悪化。陣痛の可能性を疑い始める。陣痛の代表的な下腹部痛的な感じはなく、ひたすら腰痛なので、判断に悩む。「陣痛かどうかはきたらわかるとみんなは言うけれど、わからん!」とひたすらネット検索。陣痛始まって時間が10分間隔になったら病院、それまでは自宅待機と言われてるので、念のため陣痛だった場合に備えて時間計測開始。それっぽいのをカウントすると、7分〜15分程度を行き来。病院行く可能性を考え始め、痛みの隙間でお風呂とドライヤーを済ませる。

0:45頃 病院に相談
旦那さんが起きたら相談しようと部屋を覗くもも、爆睡継続。「徹夜だもんねー。」と諦め、判断に迷ったら電話相談と書いてあったので時間的にすごく迷ったけど、恐る恐る病院にTEL。

「明らかに今までとは別格な腰の痛みだが、陣痛なのか判断がつかない。腰の痛みも10秒くらいで消えることもあり、これを陣痛と呼ぶのかどうかで10分間隔なのかが変わるのでわからない。」と違ってたら申し訳ないけど、どうしたらいいかわからないのだと自分に言い聞かせ、ひたすら状況説明。助産師さんも判断しにくそうだったけど、「とりあえずきてもらって違ったらまた帰宅すればいい。」と促され、病院行くことを決意。

寝てる旦那さんを起こして状況説明。何度も「違ってたらごめん。」と言いながら、陣痛タクシーに連絡してもらい、出発準備をする。

1:00頃 陣痛タクシーにて自宅出発
タクシー内の痛みの隙間で、ウォーターサーバーが壊れたこと、旦那さんが使わないであろう野菜が冷蔵庫にあることを切々と説明し、笑われる。

1:15頃 病院到着
陣痛室に通され、診察。「子宮口4cm、このままお産です。来てくれて良かったです!」と言われほっとしたのも束の間、バースプランの確認や入院時書類の説明を受けるも、どんどん痛みの間隔が短くなってるので、展開の早さについていくので精一杯。陣痛がきたときに痛みを感じにくい姿勢をひたすら模索。プロの助産師さんの対応を見て、旦那さんが一緒に試行錯誤してくれる。

3:00頃 破水
時計をみてる余裕は全くなかったから感覚だけどこれくらい。立ったり歩いたりクッションの上にもたれてみても、いい姿勢が見当たらずベッドで横になろうと四つん這いになった瞬間、水風船が割れるような感覚が走り、破水だと理解。ナースコールで助産師さんを呼び、様子を見てもらうと「すごい順調ですね!」とキラキラした目で褒められる。今思えば何が良いのかもよくわからず、ひたすらこれからどうなるか不安ばかりの妊婦にとって、「これで良い!」と明るく言ってもらえることはめちゃくちゃ勇気づけられた。介護やってるとき、家族に良く言われた言葉だが、今何となくわかる気がする。

ここからは激動過ぎて既に記憶がない。

途中でトイレ行っとこうと言われて何とか数歩進んだけど、痛くてしゃがみ込み立ち上がれなくなってフラフラ戻ったことも何となく覚えてる。それ以外は陣痛で叫ぶ、落ち着くを5分おきに繰り返し、痛みが落ち着いてる間に旦那さんに「水」「野菜ジュース」「レモン」と単語で欲しいものを伝え、お礼も言わずいらなくなったら返していた。話しかけられても半分くらいは答えてない気がする。今のうちに休まないとまた次の痛みを耐えられる気がしなかったから。後から聞くと一瞬寝落ちしてたらしい。夜間のお産も想定し、昼寝しておけばよかったと後悔した記憶はあるので、その辺りだと思う。このあたりはこの闘いの終わりが見えなかったけど、私より眠いであろうに「一緒にいれる今日で良かった。」と言って献身的な介護をしてくれた旦那さんには、感謝しかない。

5:30頃 分娩室へ移動
意識朦朧としつつ陣痛とお付き合いを続けている最中、「赤ちゃんが大分下に降りてきたので部屋を移ります。」的なことを言われたような言われなかったような気がする。よくわからないラストスパートなのだと理解はしつつ、そのときには腰が割れるように痛くて、「腰あげて」「こっち寝返りして」の指示さえも泣きそうになりながらやっと動いてたので、「今のこの私に歩いて動けって本気?」と思ってみんなが敵に見えてた気がする。旦那さんにほぼ重心を委ねる手引き歩行をしてもらい、何とか隣の部屋に移動。人体解剖で使うような分娩台によじ登り、「あと少し!」そう思ってからが意外と長かった。痛くなったら痛くないような位置を自分で探していればよかったけど、ここからは痛くなったらより痛いように自分で力を入れないといけないらしい。世にいう「いきんで!」ってそういうことなのだと理解してなかった私は、ひたすら痛みから逃げていた。もう赤ちゃんの頭が出かかってるのに必死に戻そうとしていたのだ。その時間が長かったせいで、今もおでこに小さな痣が残っていて「ごめんね。」となる。

6:30 最後のひとおし
助産師さんの「目開けて!」「もっと長くいきんで!」「いきんだら次いきむまで休まないで!なるべく時間を短く!」そんな必死のアドバイスを受け、ようやく覚悟が決まった私の心境の変化は、そばにいた旦那さんにもわかるほどだったそう。そこからは無我夢中で「産む!」との一つだけを頭に、全身の力を振り絞った。股が裂けてもいいというか、裂きにいくくらいの勢いで出しにいった気持ちだけは、よく覚えてる。"産み落とす"という表現は、妙に納得。全身全霊をかけた最後のいきみはスルっと抜ける感覚があり、「出た!」と思った瞬間に産声が聞こえた。喜びなのか、安堵なのか、いろんな気持ちが混ざった感覚で、頬が緩んだと同時に旦那さんと目が合った。何度も気持ちが折れそうになったけど、ずっとそばにいてくれたのは何よりも心強くて、これは2人で成し遂げたお産だな、と思った。

入院中の夜、隣で眠る我が子を眺めつつ起きたら筆を休めるという作業を合間合間で書き進めてきたこの出産ログは、あと数時間で退院というこの状況でようやく終わりを迎えることができた。筆無精な私が、ここまでの長文を書き上げられたのは、快挙だと思う。

お腹に宿ったことがわかってからの10ヶ月あまりの期間、誕生してからのまだたった5日間の日々、自分のお腹にいたと思うと大きくて、でも腕で抱き上げると想像より小さくて、生命の神秘という言葉で片付けちゃいけないんじゃないかと思うこの存在のおかげで、本当に様々な感情が自分の中に芽生えているから、今のこの尊い気持ちを残したかったのだ。

今この瞬間も世界中で赤ちゃんは生まれているだろうけど、一人一人が誕生しているのは小さな奇跡の積み重ねなのだ。

これから沢山の出来事がある中で、悩むことやへこむこともあるだろうけど、そんなときにはこの想いに立ち戻りたい。

関わってくれた全ての人に感謝の気持ちを込めて。

終わり。

2022年12月28日 4時51分


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