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今年行った展覧会ベスト3(2022年)

今年も総括の季節となりました。毎年恒例のベスト10を発表なさる著名美術ブロガーさん達の足元にも及びませんが、私もやってみようと思います。

番外編

柚木沙弥郎ゆのきさみろうの100年」展 9月~10月
於 女子美術大学アートミュージアム

お恥ずかしながら、この展覧会を観るまではこの方の存在を知りませんでした。芹沢銈介せりざわけいすけに師事した型染の染色家で、女子美術大学の学長にまでなられ、今もなお100歳で現役として活躍なさっていると伺ってぶったまげた次第です。
その仕事は見出し画のような染色だけにとどまらずグラフィックデザイン、壁画、フォントデザインなど多岐に渡り、2020年6月に京都に開業したエースホテル京都にはそれらがアメニティに至るまで使われているらしい。現代的なポップなデザインで垂涎物です。
私の唯一記憶にあったのは、日本民藝館のフォントデザインでした。
幸い来年早々に、日本民藝館でも生誕100年記念展が開かれるので、興味のある方は是非ご覧ください。

ベスト3

今年、観た中で記憶に残った展覧会ということで、順番は関係ありません。

「写真と絵画ーセザンヌより柴田敏雄と鈴木理策」展
「Transformation 越境から生まれるアート」展   4月~7月
 於  ARTIZON MUSEUM
二つの展覧会の同時開催で、巡回なしの美術館独自の企画展示として見応えがありました。お二人の写真家も存知上げない方々でしたが、美術館の収蔵作品とコラボさせた絵画のような写真の数々は迫力があって圧倒されました。
新装なった美術館の力の入った企画展でした。

「日本の中のマネ」展 9月~11月
     於  練馬区立美術館
練馬区立美術館は6月~8月に開催された「生誕100年朝倉摂あさくらせつ」展も印象的な展覧会でした。朝倉の仕事も日本画、油絵、舞台美術、絵本と多岐に渡り1922年生まれで、柚木沙弥郎と同じ年だったんですね!
この年代の方は色々な事に精力的に取り組まれるというか、好奇心旺盛なんですね。こちらは巡回展です。
「日本の中のマネ」展の方は、美術館独自の企画なので、他では見れません。中では、第四章の森村泰昌もりむらやすまさ福田美蘭ふくだみらんのマネへのオマージュ作品が面白かったです。
福田は展示作品を会期中に日展に出品して落選したそうで、マネのサロンを日展に例えているのが風刺が効いていましたね。
マネの作品はホントいろんな人にリスペクトされてるんですね!

「響きあう名宝ー曜変・琳派のかがやき」展  10月~12月
     於  静嘉堂@丸の内
前期と後期で、ごっそり作品が入れ替わるので2回も足を運びました。
でもそこが丸の内に移転したメリットというか、世田谷区岡本だったら行かなかったかもしれません。展示面積も程よい広さで、重文の建物の中にある美術館の休憩室も素晴らしく何回でも行きたくなりますね。
岩崎彌之助いわさきやのすけ小彌太こやた父子の「富める者は広く一般にそのコレクションを公開すべきである」という希望が見事に実を結んだものとなりました。饒舌館長(河野元昭館長のブログ名)もNHKの番組(日曜美術館)で日本だけでなく海外の人々に向けても公開するべきだと力説しておられました。
その為にも丸の内は最適な立地ですね。この英断を讃えてベスト3に入れさせていただきました。

御挨拶


以上、私が選んだ今年のベスト3を発表させていただきました。

最後に、拙い記事をお読みくださってありがとうございます。
もうすぐnoteを始めて2回目のお正月がやって来ます。これまで上げた投稿は33本、スランプ状態に陥って書けなくなった時もありました。
思えば幼い頃、将来なりたい職業はと聞かれたら小説家と答えていました。実力不足で実現は叶いませんでしたが、曲がりなりにも今日SNSのお陰で見も知らない不特定多数の方々に自分が書いた文章を読んでもらえて、ググると簡単に出てくるというのは嬉しいやら恐れ多いやら、何とも複雑な気持ちです。
来年も真摯に、そしてもうちょっと気軽に発信していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。

💖皆様どうぞ良いお年をお迎えください!