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幻の仏像

暑中お見舞い申し上げます

猛暑が続いて大変な毎日ですが、お身体をお大切にお過ごしください

この猛暑の中、東博の「神護寺」展に行ってきました。
饒舌館長のブログで知ったのですが、神護寺にはもっとずっと前から馴染みがあります。

あれは、50年近く前(笑)女子大生だった頃、試験休みの9月に友達と3人で京都旅行に出かけました。神護寺のどこかの建物の縁側で休んでいたところ女性が通りかかったので友達の1人が「仏様を拝ませてください」と頼んだところ快く座敷に通してくださったのです。日本美術の先生にお寺に行ったら、「仏像を見せて」と言ってはダメで拝ませてと言わないと見せてもらえないと教わったのが功を奏したのでしょう。

それが出会いでした。部屋に入ったとたんに何か気を感じました。高貴な坐像が5体畳に直に座っておいででしたが只者ではない雰囲気が醸し出されていて目を見張りました。その間10分程度でお礼を言って出てみると幻を見たような気分でした。友達に今聞いてみても覚えてないのです。
多分、虫干しに出されていたのでしょう。通常は非公開なのですが小学館古寺行こうシリーズ⑬「神護寺 高山寺」によると、例年5月13日~15日、10月第2週末の3日間に虫干しも兼ねて特別公開しているそうです。(見出し写真もここから抜粋させていただきました)

その五大虚空蔵菩薩坐像ごだいこくうぞうぼさつざぞうが忘れられずに春の特別開帳の折に神護寺まで足を伸ばした事もありましたが多宝塔の中に入っておられるので、良く見えなかったのです。それにしても50年前には貴重な体験をさせていただきました。見せてくれるように頼んでくれた友達に感謝です。

それで、今回3度目の邂逅ができるとあって、暑さをもろともせずに東博に向かった訳です。チケットは事前にオンラインで買っておくことをお薦めします。これからますます混んでくることが予測されるため、暑い中チケット売場で並ぶのは大変だからです。買っておけば会期中日時指定無しで入れます。

見出し写真は横1列で写っていますが(多宝塔の中も確か横1列で並んでいた)が東博の展示は法界虚空蔵菩薩を真ん中に4体が円陣を組んでいました。平安時代 9世紀 木彫彩色 それぞれの像高約1m 。
360度、後ろからも見られるありがたさで、お寺で観るのとはまた違った視点から楽しめるようになっていました。
余談になりますが、これまでの聖林寺の十一面観音像の時といい空也上人立像の時といい東博の仏像360度展示は本当に素晴らしくて見逃せません。
今回は国宝の薬師如来立像も出ていて、こんなに出したら神護寺が空になるんじゃない?ってなくらい惜しげもなく名品続出でお薦めの展覧会となっております。

二天王立像(平安時代 12世紀)
撮影許可されたのはこれだけ


創建1200年記念
特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」

会期
2024年7月17日(水)~9月8日(日)
会場
東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間
9時30分~17時00分
毎週金・土曜日は~19時00分(注)ただし8月30日・31日は除く
(入館は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日、8月13日(火)
(注)ただし、8月12日(月・休)は開館、8月13日(火)は総合文化展は開館
観覧料金
本展は事前予約不要です。

一般 2,100円(一般前売1,900円)
大学生 1,300円(大学生前売1,100円)
高校生 900円(高校生前売700円)                      以上