おかしい深夜とおいでにすくわれた朝 | すすめもも#1

「おかしい、こんなんおかしい」

いかんせんDNAで冷え症はズッ友で
漢方便秘薬はことしいちばんの出会い　
田舎に生を受けしものがことごとく
食物に植物にアレルギーを贅沢盛り
てんでわやくちゃないもうとですが

生来まったく不眠にうなされたことがない
これがとりえっちゃーとりえでした
ばたんとすればすやすや
川の字になってねていた実家では
ミホにケンジに布団をはぎとりながら
絶賛おやすみを謳歌しちょりました

そやのにきのうは
ずっとオンライン授業
巣鴨商店街のタリーズでから
ブルーライトにさらされ目は飛び出ちょって
深夜0時をさしても頭がぐるんぐるんのわや
家に帰ってzoomのあねを片目に
カタコトのことばが旋回しはじめました

「おかしい、こんなんおかしい」

たぶんその時間帯でだれよりもおかしかったじゃろうのに
おかしいとだれよりもつぶやいちょる

なんかおかしい
それだけがたより
東京のワンルーム
姉が深夜の湯船に浸かるあいだ
すべての明かりを消して
手元を照らすろうそくいっぽん

意を決したかどうか
徐に掴んだかどうか
それももはや推し量ることができないまま
五感がしんだいもうとひとり
きったない鉛筆でかきなぐりました

ちなみに手も足も
どこもかしこもさきっちょがおおきくて
おかげで筆圧はいつも強めやのです

不安とはまたちがう、おかしい
そのひとことでしかなかったあれこれ
書ききれないおもいがそこかしこに賦され
点と線となっちょった、
たぶんそう、みえんけど

そっから
あちこちから
～～～したい
って思いがむくむくわいてまあ～わやっちゅうもんじゃあありゃせん

疲れたい

おいしく食べたい

満ち欠けを感じたい

明日を楽しみに寝たい

終わりを感じたい

そんでね
んじゃ、

ぜんぶすりゃええやん
やってみてちがかったらやめりゃええやん

そしたら朝から
はんぱなおもしろかった

ぶきっちょで
にげあしだけはすばしっこくて
返事は苦手で
どこかうわのそらで
並行ができないけれど

おもいたったら
後悔なくできるのが
まだすてたもんじゃない理由だと
じぶんに思っとります

うごくのだ、いもうと、すすめ、いもうと！

文・もも