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緊急事態宣言やっちゅうのに、乳がんと言われましてん。029

手術は今週の金曜日。決戦は金曜日。

しかし手術入院を前にして、ひどく鬱になっています。
実はパクリタキセルを投与してから、若干鬱気味ではあったのですが、いよいよ手術が迫った今、その鬱がよけいに悪化してしまいました。
その詳細については、↓

そんな気持ちを変えたくて、抗がん剤治療中は控えていた長めのウォーキングをしてきました。
本当ならジョギングをしたいところだけど、いつもジョギングをしていた河川敷は今やノーマスクだらけで、今の私はあまり近づきたくない……ので、高低差のある高台の住宅街をウォーキングすることで、昨年からジョギングの代替としてきましたが、抗がん剤治療中は本当に必要な外出以外は控えていましたから、実に4か月ぶりくらいの高台ウォーキングです。
その道中には急峻な上り坂があります。その坂道に両脇にも家が並んでいるのですが、上の方の家に住んでいる人たち、毎日出かけるたびに鍛えられそうだな……と思うくらいに急で、走ったら間違いなく心臓破りになりそうな坂です。その坂道を、以前は途中で立ち止まることなく歩いて登り切っていたのですが、抗がん剤の脚への影響と力を入れた運動ができなかったためか、途中で30秒くらいひと休みしてからでないと、登りきることはできませんでした。ただ、坂を上りきって、見下ろす景色は実にBuena Vistaで、登り切った選ばれし者だけが預かれる恩恵なのです。その景色を眺めながら、水を飲む……至福の時です。
手術が終わったらこの景色もしばらくお預けですし、手術から回復したら今度はいよいよワクチン接種。接種当日は激しい運動を控えることとされていますが、シンガポールではその期間は1週間になっています。特に手術をした後ということもありますし、シンガポールのやり方に倣って、1週間はせいぜいゆっくり歩く程度にしておきます。それでさらに2回目もあるので、またこの坂道トライアルは11月の半ば以降に持ち越しです。せっかく拾える命を、無駄に捨ててしまわないように、ワクチン接種後は無理をしないように留意して過ごします。

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通り道の小さな公園の壁に生えているのじぎく。
ワクチン接種を無事乗り切って、再び高台ウォーキングができる頃には、白か紫か、可憐な花を咲かせてくれるはず。その時を楽しみに。

で、16日は、その前週にやりきれなかった検査と、手術に関するレクチャーのためにまた病院へ。MRIとレントゲンを終え、
 採血
 心電図
 脚の付け根からの採血
この3つが残っていましたが……

 検尿
 血の止まりやすさの検査

まだあったの?!!😱😱😱😱😱😱
もぉ~、なんで前もって言ってくれなかったんですかぁ……2週続けてこういうことが続いたので、はぁぁ……と内心ため息が。

検尿を済ませたら、採血室へ。脚の付け根からの採血があったので、奥の方に通されました。
先に静脈の方を採ってから、いよいよ恐怖の脚の付け根からの採血💉
「今先生呼んでますんで、ちょっと待ってくださいね」
……やっぱり動脈から採るんだもんね。何かあったらいけないからか、お医者さんでないとできないらしい。
やってきたのは若い男の先生で、この病院はお医者さんもナースさんも基本的に同じ服装なので、ぱっと見では失礼ながらあまりお医者さんには見えなかったけれど……

いざ採血。


……………あれ?


痛くない。

ホントに血、採ってる??


ビックリするほどあっけなく終わってしまった。
「終わりましたよー」という声で、採血が済んだことを知り、身体の力が抜けました。
「あのー、まだ抗がん剤やって2週間とちょっとなので、ちょっと長めに押さえといてもらえますか」←まだ血小板が回復しきってないはずなので。
でも、静脈からの採血よりも細い針だったので、後も残らず綺麗にふさがりました。これは本当にビックリ。本当に、動脈から採ったんですよね?? 本当に静脈からの通常の採血の方が痛いくらいです。採血後をしっかり押さえて血さえ止まれば、動脈採血は怖くないです!

次に心電図の検査のために移動。心電図と、血の止まりやすさの検査を行います。
血の止まりやすさは、耳たぶに穴をあけ、どのくらいの時間で血が止まるかを計るものです。痛みはそんなにありません✨

これらの検査をすべて終え、入院に関する説明を聞きに移動。
自分の鬱な気持ちをさらけ出しました。今になってすごく不安で、自分より年上の人が元気そうなのに自分はなぜ……など、そういう気持ちを正直にはなすと、「みなさんそうですよ」とおっしゃってくれて。私は本来、人間はひとりひとり違うと思っているから、「みんな同じだよ」という内容のことを言われるのがひどく嫌いなのですが、今回ばかりはホッとしたというか……まあ、鬱状態なので、その言葉だけですぐに改善とはならないのが我ながら面倒ではありますが。
そして、手術のために、術用のブラ(トプ画)と、T字型のオムツを購入しなければならないのです。治療そのもののお代は高額医療費制度で何とかなるけれど、こういった雑多な必需品が意外とお金がかかります。しかも今はマスク必須だし……自分で自分の医療費を出すようになってからのことしか知らないけれど、もし昭和の時代だったら、こういった必需品も病院が用意してくれたのかな? なんてことを考えてしまいます。まだ、日本が高度経済成長の登り龍だった頃のことを。

それにしても、用意しなければいけないものが多いなあ。バスタオルとか2枚も要るの? 髪の毛がほとんどなくなった今、入浴ならバスタオルがなくても余裕で拭けちゃうけど、術後のベッド周りのことで使う必要があるみたいで、これも面倒だなあと思ったり。単純に今までの入院より日にちが長いだけでなく、手術関連でいろいろ荷物が必要なのがけっこう大変……
それと、手術前に歯医者で口腔ケアをしておきましょうと言われたけれど、シルバーウィークでタイミングが悪く予約が取れない。ううむ。うがい薬だけでも、用意しておこうかな。

ちょっと長くなりましたので、入院前にまた、書けたら書きます。
(鬱が抜けてくれればいいんだけどな……)

コロナ禍の中、乳がんになって……一つひとつの命に優しい世界であってほしいと願います。貴重なサポートは、各種がん闘病に関わる団体や保護猫活動に充てさせていただきます。