緊急事態宣言やっちゅうのに、乳がんと言われましてん。012
異物混入させられて帰ってきました。
左肩の下の方というか、鎖骨の先端の下あたり。痛みというよりは、入った異物が当たりまくって動かすたびにどこかの神経に当たって「う゛っ」となるのですが、左腕なるべく使わず右腕を伸ばしてみても「う゛っ」になるので、ロキソニンをもらって飲んでます。
CVポート挿入手術。
抗がん剤治療は、点滴が基本です。しかし、点滴を何度も受けなければならないので、毎回静脈に直接注入するのは患者さんの身体的負担も大きくなります。そこで、点滴治療が苦しいものにならないように、点滴を注入するための管と挿入口がひとつになったものを、鎖骨の下から心臓の大静脈につながるように挿入します。鎖骨の下に100円玉大の挿入口ができ、そこに針を刺すだけで、身体的苦痛がかなり和らぐのだとか。
しかし、私にとっては人生初めての手術。しかも局所麻酔。
これの何が怖いかって、意識がある状態で手術されることですよ。つまり、たとえ目を閉じていたとしても、「メス」とかそういった手術用語が飛び交うのを聞いて切られている自分を想像してしまい怖くなってしまうんですよ。佐々木倫子の「動物のお医者さん」だと、手術されている菱沼さんが反射して映った自分の臓器が切られるさまをまじまじと見ていたというシーンがあったように記憶していますが、コロナワクチン接種のニュースで針ぶっさす映像を見るだけで恐怖に目を背けてしまう私には菱沼さんみたいなことは絶対できません🥶🥶🥶
そこで、手術の前にナースの方にお願いしてみました。
「目隠し用のタオルとイヤホン付きの音楽プレーヤー持ち込んでいいですか?」
カナル式イヤホンで大音量で音楽を聴いて、自分が「今まさに切られている」という恐怖を少しでも和らげるためです。ちなみに、タオルはうっかり目を開けてしまった時のため。ナースさんはあまり期待しない方が良さげなことを言っていましたが……。
あっさりOK。
こういったことに厳しい病院もあるのかもしれないけど(コロナ禍の今は特に)、恐怖を和らげたい気持ちを理解してもらったのはとても助かりました。
予定は15時30分からだったので、10分前に術着に着替えましたが、一向に案内するナースさんが来ません。暇なので、旦那とLINEで会話していましたが、「この先生は90分待ちがデフォなんやろな」と言われ納得。診察の時も、60分どころか90分待ちって表示が出ていて「おいおい」って思ってたけど、これが通常運転なら仕方ないな……って、猫じゃないんだから!!
局所麻酔で手術をするときは、歩いて手術室に向かいます。手にはタオルと音楽プレーヤー笑
手術室に入ったら台の上に横になりますが、その前にイヤホンを装着(これがないと精神的に死亡)。最後の世代のiPod nanoなので、あらかじめ画面をタッチして再生しておいてから、しばらくは先生や助手のナースさんの指示があるので、音は小さめにする。
点滴をした後、何か薬液のようなものを塗られ、局所麻酔の注射を受けるのですが、私の場合少し多めじゃないと聞きにくいみたいで、確認のために「これチクっとしますかー?」と聞かれると本当にチクっとします。完全に麻酔が効いたら、手術開始ですが……
iPod nano、ボリュームMAX!!!
これで、「メス」とかいった、いかにも手術やってんぞという言葉はシャットアウトだな……ちなみに今回の選曲は、またamazarashiです。
「命にふさわしい」
タイトルだけで選びました。自分は生きるにふさわしいのか、今まさに賽は投げられたところだ。その記念として。
音楽を聴いていたのと、初入院であわただしくしていたのと、時間が遅れていたので待ちくたびれていたせいか、ぼんやりしていてその時のことはあまりよく覚えていません。ただ、想像していたよりは手術されているという違和感のようなものはありませんでした。前述のとおり、心臓付近の大静脈につながれているはずなのですが、そういった感覚もありません。ただ、自分の中に異物が埋め込まれているってことで、何だか改造されているような気分になって、これでポーズを取ったら「変身!」できるのかとしょうもないことを考えていました……特撮脳か?笑
手術が終わり、車いすに乗せられ、レントゲンを撮りに。CVポートがきちんと入っているかどうか確かめるためです。この頃は、何らかの照射をする検査があるたびに「金属のものはありますか?」と訊かれ、そのたびごとに腫瘍内に埋め込んだ金属チップのことが頭をよぎり、「埋め込んだ金属チップは、大丈夫ですよね?」と訊くのがルーティーンになってしまいました苦笑
帰ってきて、ようやく晩御飯。
おかずが焼きそばってのが、いかにも関西🤣でもご飯に合う味付けで、おいしかったです。ちなみに、昼ご飯のメインディッシュはブリの塩焼きでした。何だか、そっちの方が夕飯にふさわしい気がするのは、私だけかな?
さて私自身は、普段から某Gスーパーの冷凍野菜を買いだめしていて、野菜が足りない時によくそれを使い繊維質を補充しているんです。病院食の繊維質が、普段私が摂取している量より少なく感じるんですが……明日ちゃんとウ○コ出るのかなあ🤔
それにしても、CVポートを入れられた直後というのは、ちょっとした動きですら痛みを感じることがあります。
来るときに蒸し暑かったので、おふろ代わりにウェットティッシュで体を拭きましたが、ポートの入っている左側の腕を、右肩を拭くためにそっちの方に回しただけで痛みが😭😭それなら左腕動かさんとこう……と右腕を伸ばして物を取ったときにまで痛みがしたのには参ってしまい、どういう動きだったらええねん!と何だかもどかしくなりました。ナースさんが様子を見に来てくださった時に、「どういう動きをしたら痛むのか分からなくて動きにくい」と訴えたら、「異物が入っているからどうしてもそうなりますよね……でも、そういうのって、日にち薬ですから」……失恋かよ!?
とにかく、中に入った異物が周囲を刺激しまくり、挿入するために切った皮膚の痛みもあり、これはおとなしく寝ていた方がいいな……とあきらめの境地になりました。
夜は20時半くらいにいったん寝落ちして、22時40分ごろ目が覚めました。ここで常用している眠剤を飲んで、入眠😴
朝5時ごろ、空腹で目が覚めたら……私、寝返り打ってへんやん!仰向けで寝たままの姿勢で目が覚めました。それから朝8時の朝食までがとても長かった……フルーツ入りヨーグルトが無性に食べたかったけど売店が開くのも朝食の時間だし(意味ねー)🙄🙄🙄
8時ちょっとすぎて、ようやく来た朝食を食べ、やはり物足りなかったのでその後売店まで行って、フルーツ入りヨーグルトとブラックコーヒーと牛乳を買い、さあ食べよう!というタイミングで、乳腺外科の女医さんが。
「傷口は、大丈夫ですね。支度できたら退院して大丈夫ですよ」
そして、今回挿入されたCVポートの説明を受けました。
そのCVポートというのが、今回ヘッダーにした「Power Port」というものです。このポートを入れているだけで、抗がん剤だけでなく、他の点滴もそこから注入することが可能になる!とのことで、点滴の苦痛がかなり和らぐのです。MRIで使う造影剤なども、そこから注入することが可能になるそうで、抗がん剤治療だけでなく、これからたくさんMRIなどの造影剤が必須な検査を受ける人にも有効です。
そして、この「Power Port」を入れた人は患者記録カードというのを必ず持ち歩かなければならないそうです。まあ万一の場合に備えて、点滴治療が必要になったら、ポートが使えますよっていう証明書的な意味合いですね。
ヨーグルトとコーヒー牛乳を飲食し、着替えて荷物を整えて、退院。
病み上がりというか手術後のケガ上がりなので、いつもよりゆっくり歩いて普段使う駅まで向かいましたが、今のところ十分歩ける距離です。
ただ、これから抗がん剤治療が始まったら、どれだけ歩けるようになるのかな……?ほぼ毎週通院生活に、私は耐えられるかな?
コロナ禍の中、乳がんになって……一つひとつの命に優しい世界であってほしいと願います。貴重なサポートは、各種がん闘病に関わる団体や保護猫活動に充てさせていただきます。