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緊急事態宣言やっちゅうのに、乳がんと言われましてん。009


 ↑ ↑ ↑ の続きです。

初診察の後の大検査祭 in 某大病院

1. 乳房およびリンパ節エコー検査
2. 遺伝子検査および血液検査のための採血
3. 乳がんのタイプを識別するための「パチン」プラス、目印としての金属片の埋め込み
4. CTスキャン

2まで終了。

3. 乳がんのタイプを識別するための「パチン」プラス、目印としての金属片の埋め込み

くどいようですが、私の言う「パチン」とは、しこりからがん組織を採取し、検査をする「コアニードル生検」のことを言います。バネの力で弾き取るようにして採取するので、その際「パチン」という音がするのです。いちいち「コアニードル生検」というのもめんどくさいし、我が家では「パチン」で通用するようになってしまったので、ここでも「パチン」という言い方をしています。

かかりつけのクリニックでやったパチンでは、乳がんか否かしか検査していませんでした。でも乳がんと一口に言っても人それぞれで、どうやって増殖するかや増殖するスピードが速いか遅いかはまちまちです。それでも、ざっくりと分けると4つに分類されます。

1. ホルモン受容体陽性/HER2陰性
女性ホルモンをエサとして増殖するタイプです。70%の乳がんはこのタイプで、主に女性ホルモンをコントロールするホルモン療法を用いますが、増殖度(Ki67)が高いか低いかによって、この1の中でもさら3タイプに分類され、抗がん剤がプラスされる場合もあります。Ki67の数値が15%未満ならルミナルAといわれ、ホルモン療法が中心で、31%以上ならルミナルBとされ、抗がん剤がプラスされます。15~30%の場合は中間群とされ、状況に応じて抗がん剤を使う形になります。
2. ホルモン受容体陰性/HER2陽性
女性ホルモンには見向きもせず、細胞表面にHER2というたんぱく質をまとっています。HER2をターゲットにした分子標的治療と、抗がん剤治療を行います。
3. ホルモン受容体陽性/HER2陽性
女性ホルモンをエサにするタイプであり、表面がHER2たんぱくで覆われているものです。2の治療に加え、ホルモン療法が追加されます。
4. トリプルネガティブ
女性ホルモンもHER2も必要とせず、勝手に増殖していくタイプです。ホルモン療法も分子標的治療も使えませんので、薬剤治療は抗がん剤一択です。

参考: https://www.nyugan-infonavi.jp/senmoni/yakubutsu3.html
    https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/breast_surgery/050/051/index.html#05
    https://www.jmedj.co.jp/files/item/ebook/579.pdf

で、今回はこれらのどのタイプかを判断するためのパチンで、クリニックの時と同じく表面に局所麻酔してから採取するための針をバネで打ち込むのですが、クリニックでのがん判定の時よりもやはりしこりが大きくなっていたからなのか、その時には全く感じなかった痛み…鈍痛のようなものがあったのです。ただでさえ刺されるのが大嫌いなのに、しかも、このパチンの後には小さな金属片を埋め込むためにまた刺し込まれる…クリニックでは先生にアシスタントの女性が1人いただけだったのが、女性だけど3人がかりで作業していたのも、私の頭に、がんという自分の体から生まれた異物と闘わなくてはならない、自分にとってはここは戦場なのだという気持ちを高めるには充分でした。
これから戦いに行くんだ――自分を奮い立たせなければ、勝てない。
私は思わず(頭の中で)口ずさんでいた。

”死ぬ気で頑張れ 死なないために”

amazarashiの「フィロソフィー」。ずっと弱くて自信がないと思っていた自分に、そこれまで積み上げてきたものが自分なのだから、それを誇りにして闘え。そんな勇気をもらえたから、今、私はどんなに世間でちっぽけな存在であったとしても、自分は自分として生きていこうという決意できた、私にとってのソウルフードならぬ、「ソウルソング」。そして今は、本当に「死なないために」「死ぬ気で頑張」る時なんだ。
思わず涙が出てしまった。パチンをしている看護師さんには「すみません、ちょっと痛くて…」と言ってごまかしたけど。

すべてが終わった後、右のおっぱいがずしんと重かった。何だろう?何かやたらめったらたくさんのものが貼ってあるけど、クリニックでパチンしたときは絆創膏を貼られただけだったのになあ。

4. CTスキャン

CTスキャンのための血液検査の結果がまだ出ていないらしく、そこからまた少し待たされることになりました。時間はもう17時近く。
結局昼飯にありつけなかった旦那が哀れになってきたので、何か食べてええでと言ったら、旦那は近くを通りかかった病院スタッフの人に院内の売店が17時で終わるのを聞き、慌てて売店へと駆けていきました。病院内は走っちゃだめだけど、この時間にもなるともう患者さんの数も少なくなっていて、上映期間終了前の映画館内のようになっていたので、まあ今回限りと思って許してほしい。お願いです。もうしません。
それから少し時間がたって、CTスキャンのGOサインが出たということなので、CT室に向かう前に造影剤を静脈から注入。点滴した状態で移動するのですが、付き添っていた看護師さんが慣れていないのか(4月に赴任してきたとしたらまだ5月初旬ですからね)、エレベーターで移動しろということだったのにエスカレーターに案内してしまっていて、売店のお弁当を食べ終わって付き添っていた旦那は「こっちちゃう!」と小声で注意していました。
CTスキャンは、X線を用いて断面を撮影し、がんの転移がないかを診るもの。X線が照射されると、体中がとてもほてってくると言います。金属のも付いたものはすべて外し、ポケットの携帯も出して、いざ検査です。
時間は、体感的には20分くらいだったでしょうか。X線照射が来た時、体の内側から何かじんわりと熱くなってきて、一瞬自分が発火するんじゃないか?と思うくらいにたちまち体が熱くなってきました。それと同時に……なぜかわかりませんが、口の中がえらい苦みを感じるのです。こんな話聞いてない!とは思いましたが、気持ち悪いとは感じつつも耐えました。
*「息を吸ってください」すぅー…「止めてください」
(*繰り返し)

そしてCTスキャンが終了したとき、私はもうすっかり疲れてしまいました。
時刻は…17時40分!病院の会計終了が17時30分なので、今日はもうお会計してもらえません…でも、限度額適用認定証の申請書を提出したばかりだった私には、支払いをせずに済んだのでかえってラッキーだったかも?

そして、その日の晩飯はというと……夜マックのポテナゲとハンバーガー×2、スーパーで売ってたイチゴケーキと、身体に言い訳するためのコールスローサラダw
死ぬ気で食べたんだよ、(心が)死なないために(オイ)。とにかく、とにかく食べたかったです……😭😭😭

最後に。右のおっぱいを重たくしていたものの正体は、止血できるように重たく加工してあった脱脂綿でした…
今回はパチンだけじゃなかったからねえ……


コロナ禍の中、乳がんになって……一つひとつの命に優しい世界であってほしいと願います。貴重なサポートは、各種がん闘病に関わる団体や保護猫活動に充てさせていただきます。