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出雲の会議で

お互いに存在を知ってはいても、
そして、気になってはいても、

「これって、シタゴコロなのかしら」

と少々悩んでしまうのは、
多分、いろんな経験をしてきたからなのかなと思います。

池間も私も、結婚というものを一度経験していて、
で、
うまくいかなかったわけでして。

だからこそ、慎重にもなるし、
結婚とか家庭とかそういうものに幻想を抱かなくなる。

それでも、
「気になる人」として、彼は私の心に入り込んできたのだろうなあ。

どのタイミングからか、
イケマは毎晩私に電話をかけてくるようになりました。

「高校生かよっ」とツッコミたくなるくらい、毎晩。

だから、
まだ会ったことのない彼の友人たちのことをいろいろと知ることになりました。

「どうして、あの頃、毎晩電話してきたの?」
「なんでだろうなあ?俺、そんなに喋ってた?」

・・・喋ってた自覚はなかったようで・・・。笑

「多分、自分のこと、知って欲しかったんだろうなあ」

自分のことも友人のことも。

少しばかりの紆余曲折を経て、

話してくれていた友人の一人と会うことになりました。

会う、というか、遊びに行く。

なぜならその人はN県の人であったから。

行くなら1泊で。
それなら、私が飼っているうさぎのりらを実家に預かってもらいたい、
ケージごと運びたいので、車を出してもらえるだろうか。

そんなわけで、意図せず、
私の両親とイケマが、会うことに。

父とイケマ、
共通の話題はない。笑

唯一の話題は、
加山雄三バンドでベースを弾いていた、ということ。
いろんなミュージシャンのサポートをしてきたイケマではあったが、
名前を出してもうちの父には通じない。笑
唯一わかってもらえたのが加山雄三の名前。

それで、
父、何を思ったのか、いきなり取り出してきたのが、

「これがワシ」とセピア色の古い写真。

おじいちゃんに抱かれている赤ん坊の自分を指差す。

「ワシを抱いとるのがアサジロウ。」
(アサジロウとは父の祖父。・・・それを言われましても。)
「はあ。」とイケマ。

その時、私は台所でお茶を淹れながら母と二人、顔を見合わせたものでした。

「なぜお父さん、初対面のイケマにあんな古い写真を」

間が持たなかった、それだけの理由かもしれない。

だけど、

それだけじゃないと思う。

父は特に何か考えていたわけではないと思う。

ちょっと、オカシナ話になりますが。

多分ね、

池間家のご先祖様と、私の実家のご先祖様が

挨拶をしたのではないかと思うのです。

お互いに「よろしくお願いします」って。

「やっと、ですな」って感じだったかもしれない。

2007年の出雲の神様会議で、
「あれとこれ、ニアミスばっかりしおって、
いっこうに前に進まん。
ここは、首根っこを捕まえてでも無理やりくっつけるしかないかのお」。

本当に、そんな感じだったんです。

私たち、な〜んにも頑張らなくて、そうなった感じがするんです。

誰にも反対されなかった。
なんの障害もなかった。

神様、
首根っこ捕まえてくださりありがとうございました。
今世で出会うことができました。

イケマに会うためには、
あんな経験もこんな経験も必要だったのね、とユーミンの歌みたいなことを実感したのでありました。

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