同じ話を何回もする大人になっちゃたな

年上の人の話を聴いていてこの話以前にも聴いたなと思うことが度々ある。同じ話を繰り返すのは良くないと世間でも言われているし、自分もつまらないと感じたこともあったから、自分が歳を重ねた時それをしなければ良いかと、その時は思った。数年が過ぎ、今の自分はどうなのかとふと考えると、同じ事を話す人間になっている。自分への戒めはいかせていない。何故なのかと考えれば、いくつか要因が考えつく。一つは僕は歳を重ねても趣味嗜好が子供の頃からほとんど変わっていないこと。関心のある分野が限られているから、収集する情報も、話ができることも、月日が経っても変わらない。次に自分の生活環境の変化が少ないことがある。会社員であれば、職場が変わることがあっても、仕事をする上で必要な情報や、同僚とのコミュニケーションに使う言葉もそこまでは変わらない。日々時間に追われる中で、仕事で必要な情報以外にも関心を向けるのは、良いことだとわかっていてもなかなか実践するのは難しい。残された僅かな余暇を自分の好きなことや私生活で必要な情報収集に使うことが優先される。それから毎日新しい経験を積み上げたとしても、人に話すような、印象に残る出来事はそれほど多くない。特に自分より若い人から自分の話を聴かれた時、話をするならその人と同じ頃の自分の話や、その人が近い将来体験するかもしれないことを自分の過去から拾い上げて話すようになる。そうすると、話せる内容は限定的なもので、それが増えることもまずない。そうなるとやはり、同じ話を繰り返すことになる。どれだけ新しいことにチャレンジし、日々話のネタが増える人がいたとしても、過去の出来事を増やすことは出来ない。人には限界があるとよく使われる言葉だが、こんな当たり前のことも、そういえば人は出来ないのだと、少し面白く思えた。僕のように同じ話を繰り返し聴くのが嫌だという人はいるだろう。でもその人たちにも知っていてほしい。そうは言っても、あなた達もどう頑張っても同じようなことをする人になると。だから、将来僕と同じように自覚するようになった時は、仕方ないかと思ってほしい。

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