「信頼」されるビジネスパートナーを目指して / 2023年経営企画アドベントカレンダー
はじめに
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供しているSmartHR社で、経営企画の担当をしている治(はる)と申します。
この度、Scale Cloud社の広瀬さんにお声がけをいただき、経営企画のアドベントカレンダー を執筆させていただくことになりました。
ご経験が豊富で専門性も高い皆さんのこれまでの投稿を拝見して「ふむふむ、なるほどな〜」と激しく頷いていると、いつの間にか自分の番が来ていたので、時間の流れる早さに震えております(さすが年末)。
そして、冬の寒さにも震えております(急に寒くなりましたよね)。
軽く自己紹介
本題に入る前に、軽く自己紹介をさせていただくと:
2013年4月〜:みずほ証券(投資銀行部門)でM&Aアドバイザリーのお仕事
2018年2月〜:アクセンチュア(コーポレート部門)でファイナンスのお仕事
2020年7月〜:SmartHRで経営企画のお仕事
といったキャリアを歩んでおり、ビジネス経験は10年ほど。
プライベートは多趣味な人間ではないですが、食べること(特にお寿司)が好きで、後は「櫻坂46」という女性のアイドルグループが大好きです。
仕事のスケジュールをうまく調整して、頻繁にライブに行っていたりします(職場のみなさん、ありがとうございます🙏)。
経営企画の仕事の共通点
さて、前置きはそれぐらいにして、そろそろ本題に入ろうと思うのですが、執筆者の方々の記事を拝見して改めて気づいたのは「経営企画の仕事って、会社によって様々で、ゆえに奥が深いんだな…」ということでした。
同時に共通点なるものも見えてきた気がします:
プロフェッショナルとして、自部署のクライアント(主に経営層・事業責任者)に対して真摯に向き合う
真摯に向き合った結果、信頼されるビジネスパートナーとなり、共に成果を創出していく
もっと良い表現は見つかりそうですが、荒く抽出すると、そんなエッセンスでしょうか。
私自身、いわゆる経営企画の業務を行うのは、今のSmartHR社が初めてだったので、これまで手探りでやってきた部分が多いのが正直なところです。
ですが、キャリアの1〜2社目ではプロフェッショナルファームに在籍していたこともあり、上記の2点については常日頃から意識していたことでした。
今回の記事では、タイトルの「信頼されるビジネスパートナー」という観点で、経営企画の仕事について少し考えてみたいと思います。
「信頼が大事」と言うけれど?
仕事かプライベートかを問わず「信頼が大事」という言葉は良く耳にしますよね。SmartHR社でも評価項目の1つに入っており、私自身も「大事にしたい概念だな」と思います。
会社や部署といった組織は、組織図上では無機質なハコに見えますが、それらは人の集合体であり、血が通った生き物です。そして、実際のビジネスを動かしていくのが人である以上、人間関係の潤滑油とも言える「信頼」は、確かに重要な要素に思えます。「信頼残高」といった言葉も、良く耳にしますよね。
では、そんな「信頼」とは、どういう要素で成り立っているのでしょうか? 信頼されているとはどういう状態なのでしょうか? どうすれば信頼関係が築けるのでしょうか?
これは完全に受け売りなのですが、1〜2社目で尊敬する方々が仰っていたこと(と、その元ネタ)を紹介してみたいと思います。
信頼を構成する4つの要素
みなさんは、The Trusted Advisor という本をご存知でしょうか?
投資銀行やコンサルティングファーム、弁護士・会計士など、いわゆるプロフェッショナルファームで世界的に愛読されている(らしい)のですが、そこで紹介されている「Trust Equation(信頼の方程式)」というコンセプトが、自分の中ではしっくりきており、そちらをご紹介したいと思います。
上記の画像の通り、Trustworthiness(信頼できる度合いといったところでしょうか)は、Credibility、Reliability、Intimacy、Self-Orientationの4つに分解されるそうです(注:あくまでコンセプト上のお話です)。
最初の3つが数式の分子に、最後の1つが分母にきているので、Trustworthinessを増加させようと思うと、算数的には分子の各要素を増加させて、分母の要素を低下させれば良い、というお話になります。
「いやいや、世の中そんなにシンプルじゃないよ」という声も聞こえてきそうですが、経営企画パーソンとして活動していく上でのヒントになりそうなものがある(と思う)ので、それぞれの要素について、少し見ていきたいと思います。
(詳細を知りたい方は、こちらの解説サイト をご覧ください)
C:Credibility
まず、最初の要素は「C:Credibility」です。
専門性への「信頼」といったところでしょうか。
経営企画のクライアントは、経営層・事業責任者といった上位レイヤーになることが多いため、戦略や会計・ファイナンス・法務といった経営に関する幅広い専門性が重要なのには納得感があります。
また、自己啓発をする場合に真っ先に思い浮かびやすいものでもあり、みなさんも、そうした「知識・専門性の獲得」に熱心なのではないでしょうか。
(私も「この年末年始に何か新しい知識をインプットしたいなー」と、あれこれ考え中です)
R:Reliability
2つめの要素は「R:Reliability」です。1つめの「Credibility」も、この「Reliability」も日本語では同じ「信頼」ですが、少しニュアンスが異なるようです。
人としての「信頼」と言えるでしょうか。
「あの人に相談してみたら、きっと何とかしてくれる…」そんな意味での「信頼」かもしれません。
もちろん、周囲からこう認識されるためには、実績の積み重ねが非常に重要でしょう。どんな仕事においても、一定以上のクオリティとスピードをコミットし続ける――周囲の期待値を超え続ける、そうして「信頼」はやっと獲得できるのかもしれませんね。
(ちなみに、私は仕事を後回し・溜めがちな人間なので、期限ギリギリに対応することが多いです。このアドベントカレンダーも期限ギリギリです…)
I:Intimacy
分子の最後の要素「I:Intimacy」は、少し聞き慣れない言葉かもしれません。
日本語では「親密」と訳されますが、「この人になら相談したい / しても良い」といった相談のしやすさでの「信頼」です。
いくら担当領域での専門性が高くても、過度に攻撃的だったりすると、信頼関係を築いていくことは難しいですよね。
経営企画の仕事は、問題解決型であることが多いので、問題を早期発見するためにも、いろいろ相談されるようにする(=情報が入ってくるようにする)ことは、重要だと思います。
(自分もふと気づけば眉間にシワがよって難しい顔をしていることが多いので、普段から気をつけるようにしています。また、自宅だと集中できないのが一番の理由ですが、なるべく出社して対面でのコミュニケーションを増やしたり、休憩時間にはオフィスをグルっと「特に意味もなくパトロール」して、声をかけられやすい環境を作ろうとしています。ネタバレですが…笑)
S:Self-Orientation
最後の要素は、分母にくる「S:Self-Orientation」です。
文字通り「自己中心的か」という要素なのですが、こちらは、他の3つの要素と違って分母にくるので、増加すると「信頼」を下げる方向に働く要素であり、気をつけたいところです。
仲介者・調整役としての価値発揮の機会が多い経営企画ですが「これをやっていただかないと、(こっちが)困るんです」と言ったコミュニケーションのスタイルになっていないでしょうか?
忙しさに追われて、つい油断すると「相手の立場になって考える」ということを忘れがちになるので、常に心に留めておきたい要素です。
おわりに
さて、ここまで少しドヤ顔(?)をして「信頼」について語ってきたのですが、自分自身、上記のことを完璧にできている訳ではありません。むしろ、できていないことの方が多いです。
2023年が早くも終わる、また、SmartHR社にJoinして早くも3年半が経とうとしていることもあり、自分自身の振り返りも兼ねて、自分自身が大事にしていることを、少しご紹介させていただきました。
もし「あの部門と、あの人と信頼関係を築くのが難しいんだよな…」と思っている方がいらっしゃったら、上記のフレームワークが何かの参考になれば幸いです。意外と、最初の1つめ「C:Credibility」にのみフォーカスしていたりするのではないでしょうか?
それでは、少し気が早いですが、良いお年をー👋
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