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仲良しチームじゃ勝てないんだよ

「仲良しチームじゃ相手に勝てない」

そう言ってコーチは事あるごとにチーム内で「総当たり戦」を実施させ、チーム員に順位を付けた。


私の高校の部活動のコーチの言葉。

10年以上昔の話だが、今も私の心に 響いている。


当時私はテニス部に所属していた。1年の2学期から途中入部した。

1学期は帰宅部だったが、「身体を動かしたい」「暇を持て余したくない」「友達がみんなテニス部」という理由で、途中から参加した。


これが、悲劇の始まり。笑


当然、最初からいる子より1学期分の技術や体力が遅れているわけで、私はいつも別メニューだし、いつまで経っても皆んなより下手くそだし、部活動自体はつまらなかった。

でも、皆んなと食べるお昼のお弁当や、帰り道のコンビニでの買い食い、たまにある旅行気分の遠征がとっても楽しかったから続けられた。


コーチは、事あるごとにチーム員に総当たり戦をさせ、順位を付けた。

総当たり戦をやっている期間は、チームはとてもギスギスした空気が流れて、勝ち負けが決まると、負けた子は皆んなの元を離れ、物陰で涙をぼろぼろとこぼす。


特に、前回から順位が変わった時が一番重い空気になった。

この総当たり戦で決まった順位が次の試合の出場に大きく影響する。

「なんでアイツが」

昨日まで仲が良かった同士が、数時間の試合でこんな言葉でいがみ合う。

私自身は下っ端だったので、試合の出場には特段影響しなかったが(笑)下位争いで勝って順位が上がると陰で嫌味を言われた。


私はこの空気に耐えられなかった。

泣く子を前にコーチが言った。

「仲良しチームじゃ勝てないんだよ」


チーム内で戦わせ、順位を付ければ「悔しい、次は勝ってやる、そのために練習を重ねてやる」と、覇気と士気が高まり、チームも個人もより一層強くなれる。


これからの人生、戦いばかり。

こんなことでへこたれるな。

私はこの経験から、人生の勉強をさせてもらった。

この時はわからなかったが、この経験は今後生きていく上で大切な経験の一つになった。


自分を高める上で、「自分の現在の立ち位置」を知るのはとても大事だ。

社会に出ていくと、自分より能力の高い人はたくさんいて、高みを目指す人は年齢関係なくすぐに自分を追い抜いて行く。

自分も負けないように、勉強と経験を重ねる必要がある。

社会に出ると、そんなこと誰も教えてくれない。

自分で自分を高める必要がある。








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