蛇口から漏れるのは水かストレスか
洗面所の蛇口が壊れて、水漏れするようになった。考えてみたら、ここに住み始めた時まだ存在していなかった息子はもう17才。20年近く蛇口を使い続けたことになる。
水道そのものが使えなくなったわけではないので、それほど大きな問題というわけではない。だが、朝どこかへ出かけようという日は、微妙に支度が遅れる。一日ぐらいなら良いのだが、何日か続くとちょっとしたストレスに。
ゴールデンウイークだから、出かける機会が多い。舞台を観に行く日も、映画を観に行く日も、少しだけ家を出る時間が遅くなる。ランチを食べる時間がなくなる。わずかな煩わしさが何日ぶんか重なっていく。誰かに当たり散らすほどでもない、ほんの少しのイライラ。
これは良くない。連休明けにはすぐ連絡できるように、自治体のホームページで水道局の指定工事店を調べる。盛んにCMをしている水道屋さんではなく、地元の業者にお願いして直してもらうのが、適正価格を大きく出ない範囲でおさめるコツらしい。そうは言っても相場感がわからなすぎるのと、早く直してほしいのとで頭はグチャグチャ。今なら確かに多少高すぎる金額を吹っ掛けられても、払ってしまいそうな気がする。
夫はついでだからあっちもこっちも直したいという。別に良いのだけれど、費用を見積もってもらったら「やっぱり予算の都合でこうします」という話になりそうな気もする。どっちにしろ、早く蛇口を直してこの小さな煩わしさを解消したい。だがあいにく連休中なので業者もお休み。連絡が取れるのは7日以降になる。
このさい、水回りを点検し直して直せるところは直しておいた方が良いのかもしれない。人間の身体は年に1回人間ドックで診るけれど、家は何か問題が起きない限りほったらかしなのだから。電気やガスや水道が普段通り使えることなんて、当たり前すぎて気にも留めていない。蛇口が一つ使えなくなるだけで、人間は結構不便を感じ、イラつくものなのだと気付かされる。
連休が終わるのは寂しいけれど、蛇口が直るのは嬉しい。明日が来てほしいような、来てほしくないような。
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