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勝手に明日海りお祭り 第一弾 2018年花組公演『Delight Holiday』

このnoteは、以前宣言した「Twitterフォロワーさん300人突破記念 "勝手に明日海りお祭り"」の第一弾です。


明日海りおさんの歌声が好きすぎる、という話を以前noteでした。

初めて明日海りおさんと出会った、『エリザベート・ガラ・コンサート』2014年花組Ver.の配信。トート閣下が登場し「天使の歌は~」と歌い始めた瞬間、歌を聴いているのは耳なのに、ブワッと危険で妖しい香りが漂ってきたのを、今も鮮明に思い出す。

だれかに惚れる瞬間というのは突然やってきて、抗うことなどできないのだと、思い知らされた。

色々探して、明日海りおさん出演作のDVDやBlu-Rayを買い求めた。中でも、特に楽しみにしていたのが『Delight Holiday』だ。

「宝塚歌劇団花組舞浜アンフィシアター公演 スペシャルステージ」と銘打って行われたこのステージの内容は、言ってしまえば明日海りおさんを中心とした花組みんなで行う、コンサートである。何せ声に惚れているので、歌がたくさん聴けるのはとても嬉しい。

クリスマスの時期に、舞浜アンフィシアターで行われた花組のコンサート。

クリスマスの舞浜、というキーワードで私が連想するのは、学生時代にアルバイトをしていた東京ディズニーランドだ。11月初旬からクリスマスが近づくにつれて、色濃くなるクリスマスムードにパーク全体が染まっていく。訪れるゲストの雰囲気が変わっていく。スタッフとしてはとにかく忙しかったけれど、パークの中のキャストもゲストも、「ディズニーランドのクリスマス」を心から楽しんでいた。ディズニーランド全体にウキウキのかけらが浮遊しているかのような、独特の空気が脳裏によみがえる。

クリスマスの舞浜で、宝塚歌劇団花組が行ったコンサートの場にも、きっとあの独特の空気が流れていたに違いない。期待に胸を膨らませながら、購入したBlu-Rayを再生した。

好きポイントその1:J-POP×明日海りお=カッコいい

明日海さんとJ-POP男性アーティストの相性はいい。特に私が好きなのは、T.M.Revolutionさんの「WHITE BREATH」「HOT LIMIT」の2曲。こういう速いテンポで、しかも声量が必要な曲って難しいんじゃないかと思うのだけど、明日海さんは大変カッコよく歌いこなしている。うっかり本気で惚れそうになる。

うっかり本気で惚れそうになる

DA PUMPの「U.S.A」では、花組の組子の皆さんとキレキレのダンスを披露している。ああ、本当にカッコいい。DA PUMPのダンスも相当カッコいいけれど、ダンススキルの高い宝塚の皆さんがあれだけ揃って、キレのあるダンスを見せてくれると、「うわあ。これみんな観たほうが良いんじゃない?」という気にさせられる。「これ全員女性ってだれが信じられる?」とも。

男役としてはそれほど背が高いわけでもなく、むしろ華奢で女性らしい体形の明日海さんだけど、しっかり筋肉があるからこそあれだけ踊れるんだろうなあと、細い明日海さんの背中を観ながら、積み重ねてきたものの重さを思う。

好きポイントその2:ミュージカルソング×明日海りお=作品の世界が見える

『アリスの恋人』から「君の記憶」を歌っているときはもちろんルイス・キャロルだし、『エリザベート』から「私が踊る時」「闇が広がる」を歌っているときはトート閣下だし、『ロミオとジュリエット』から「僕は怖い」を歌っているときはロミオなのである。

何を当たり前のことを・・・と思うかもしれない。

いやいや。聴き比べてみてほしい。声が全然違うのだ。
iTunesで「明日海りお」で検索すれば、たくさん曲が出てくるから。

明日海さんがミュージカルソングを歌う時、連れてくるのは作品の世界観であり、役であり、もっと言えば役がその場面で見ている景色なのだ。

もし、明日海さんが歌う「闇が広がる」を、SMAP×SMAPでのコラボでしか観たことが無い方がいるならば、ぜひ今楽天TVで配信中の、14年花組版のエリザベートを観てほしい。

『Delight Holiday』で歌われた「闇は広がる」では、優波慧さんがルドルフを演じている。トート閣下はホントにルドルフに対して容赦ないな!と感じさせられた。衣装も髪型もトートじゃないのに、である。

あのSMAPとのコラボでのトート閣下は、優しすぎた。もっとも、SMAPの番組でコラボして披露するものは、舞台で見せるものとは違った意味合いを持っていたはずだ。視聴率の高い番組でテレビ界の人気者と共演する、ということ自体に大きな意味があるので、番組に出演し、SMAPルドルフと「闇は広がる」を披露したのは、素敵なことだったと思う。

好きポイントその3:MCでのカミカミ具合がカワイイ

ステージ最初のMCで、初めてのコンサートが千秋楽を迎えたことについて寂しさを語る明日海さん。「もうきょうは寂しくて寂しくて(この2回目の寂しくて、を甘カミ)仕方ありません。だってですよ、よか(横、と言いたかったらしい)から刺さる視線も、うしろからさ、刺さる視線も・・・さしすせそ難しい

「さしすせそ難しい」の言い方がカワイ過ぎる。さっきまでカッコよく歌っていた明日海りおはどこへ?である。

『マドモアゼル・モーツァルト』のカーテンコールでもカミカミだったのだが、どうやらステージで命を燃やしている時に入っているスイッチが、OFFになるようである。

このあたりのギャップに、また萌えるのだ。

そして、当時の娘役トップ・仙名彩世さんが語る「しじみのピアス」の一件がまた、明日海さんのイケメンぶりを物語る。

もともと小さくてかわいらしいもの(シルバニアファミリーのセットについてる野菜とか)がお好きな仙名さん。ある日、東京スカイツリーに行った時に「しじみのピアス」を見つけてそれが可愛かったという話を、明日海さんにしたのだという。そうしたら、ホワイトデーに明日海さんがそのピアスをプレゼントしてくれたと…!

多分、これ↓だと思う。どうやら墨田区の工房でしか作っていないもののようだ。仙名彩世さんのセンスも独特だけど、これをちゃんと見つけてプレゼントする、明日海さんの優しさとイケメンぶりがもう、たまらない。


好きポイントその4:鳳月杏さんがカッコよすぎる

明日海さんのことではなくて恐縮だが、現在は月組の2番手となっている鳳月杏さん(漢字がなかなか出てくれないので、以下ちなつさんと呼ぶ)がカッコいい。

ちなつさんは、最近私が観た公演だと『桜嵐記』『Dream Chaser』が記憶に新しい。お芝居も踊りも上手いと思ってはいた。

だがこの『Delight Holiday』でのちなつさんは、別格の魅力を放っているように私には見えたのだ。

まずちなつさん、手足が長いからダンスが映える。そして歌も上手い。

私はもともと、三浦大知さんが結構好きなのだが、ちなつさんが歌う「EXCITE」を聴いて、「何だこの人・・・?」と思ってしまった。もちろん三浦大知さんは「踊りながら歌う、歌いながら踊る」人で両方のクオリティの高さが魅力なのだけれど、ちなつさんの「EXCITE」も相当魅力的だった。

そして、「U.S.A」でカッコよく踊るちなつさんは、もはやノックアウト案件である。

「U.S.A」の後にMCが挟まり、そこで触れられるのだけど、長い手足を活かしたダイナミックなダンスが、むちゃくちゃカッコいい。うっとりするぐらいカッコいい。

もう明日海さんだけでも目が忙しいのに、大変である。

終わりに 『ASUMIC LAB』への期待

最後までBlu-Rayを観おえた私の脳裏には、クリスマスのディズニーランドの光景が再びよみがえっていた。あの日の舞浜アンフィシアターの中には、確かにクリスマスのディズニーランドと同じ、ウキウキのかけらが浮遊していたようだ。

会場で観客席に座る皆さんの表情、花組の組子の皆さん、そして誰よりも、明日海りおさんがとても楽しそうだった。全員がドキドキとワクワクを共有した時間が、ぎゅっと詰め込まれた映像だった。
私まで、ワクワクとドキドキを分けてもらえたような気持ちになれた。

しかし、何かが足りない。

私の肌にまだ残る、あの感覚。
『マドモアゼル・モーツァルト』を観た時に感じて、今も身体の内側の細胞が覚えている。明日海りおさんの全身からあふれ出る「何か」。直接鼓膜を震わせてくれた声だけが、直接私の目がとらえた映像だけが、内側に届けてくれる、「何か」。時に役の感情がダイレクトに流れ込み、時によく分からないうちに目の奥が熱くなる。そんな現象を私に引き起こす「何か」。

その「何か」が何なのか、私は今説明する言葉を持っていない。
日本語の語彙を増やせば、辞書を眺める時間を増やせば、説明することがいつか出来るようになるのだろうか。

明日海りおさんが役ではなく、「明日海りお」として発する「何か」を受け取りに行ける日が、もうすぐ来る。ファーストコンサートとなる『ASUMIC LAB』である。

『Delight Holiday』のBlu-Rayは、良かった。本当に楽しめた。だが、録画された映像だけでは受け取れないものが、確かに存在することが分かってしまった。

12月9日、10日。私の身体の内側の細胞に残るだろう「何か」を、全身で受け取りに行きたいと思う。

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