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第21章:「リゴレット」 1850〜51年:37歳

初めての方へ:ジョージ・マーティン著、萩原治子訳の「人間ヴェルディ:彼の音楽、人生&その時代」の第1部と第2部は公開済みで無料です。著者については第5章の、翻訳者については第6章の【翻訳後記】をお読みください。

目次】
ヴェニスのフェニーチェと翌3月初演予定で深刻オペラを書く契約をする。選んだヴィクトル・ユーゴー作の戯曲「逸楽の王」はパリの舞台初日に上演禁止になった問題作。検閲の要求は題名から、せむし男の主人公と彼の名前、ズダ袋などなど。ヴェルディの核心を残した対応策。初演予定日の1ヶ月前に改訂版が許可される。ブセットで父親と不和。それでもヴィラ・ヴェルディの増改築は続行。フェニーチェでの初演は大成功。すぐに「女心の歌」は大流行になる。”傑作”の評判を得るが10年位は世界中で批評家と検閲からの抵抗が続く。リゴレットの音楽の新しさはシーン中心。アリアが少ないこのオペラを分析する。第2幕のリゴレットが殺し屋に遭遇するシーンの音楽を分析。第3幕の4重唱についてヴェルディ自身の感想。

【翻訳後記】
「リゴレット」はヴェルディの26オペラの16番目、上演数では「ラ・トラヴィアータ」の次の2番目。魅力の謎を解く。私のおススメは1982年の映画版。そのYouTubeへのリンクはここ。演奏はウィーン・フィルハーモニー、リカアルド・シャイリー指揮、テノールの公爵にパヴァロッティ、ソプラノのジルダはエディタ・グルベローヴァ、リゴレットはイングヴァー・ウイクセルと豪華キャスト。オペラの舞台となったマンチュア市について。地元ロケに使われたマンチュアのテ離宮、パルマ市のファルネーズ劇場など。2021年に現地で撮った写真を11枚。

(順次掲載予定)
第22章:ブセット町での私生活 (1851-1852 : 37歳から38歳)

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