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営業女子が見た、ドラマ「正直不動産」の正直な感想


営業マンは嘘をつく

それが私が営業という仕事をする前のイメージだった。自分の売上のために、自分のいいように話を進めて客を丸め込む。そんな人が成績が良く、上に行っているのだ、と。

そんな私のイメージそのままの営業マンが
ドラマ「正直不動産」の主人公・永瀬財地だ。

ドラマ「正直不動産」とは


NHKで今年の4月~6月、毎週火曜夜10時から放送されていたお仕事コメディ。

物語の舞台は「登坂不動産」。主人公・永瀬財地はそこで成績トップの営業マンだ。次々と契約を決め、高層マンションに住み、女性にもモテるエリート。しかし、その裏には、「ライアー永瀬」という異名が。その名の通り、これまでの輝かしい営業成績は顧客に聞こえの良いことばかりを並び立て、デメリットになることは一切伝えずに獲得してきたもの。顧客に嘘をついて得たものだったのだ。

そんな彼がある日、嘘がつけない体になってしまう。いつも通り顧客に不利な情報を隠して契約までこぎつけようとすると、本当のことを言ってしまい「どうしてそんな物件を薦めてきたんだ」と逆に顧客の怒りを買い、営業成績はどん底に。その一方で「そんなに正直に教えてくれる永瀬さんなら信頼できる」と契約が好転するケースも。嘘がつけなくなった永瀬が営業スタイルをどうしていくのか、というストーリー。


営業は本当に嘘つきなのか


このドラマを見て、営業職の私は改めて「営業」という仕事について考えた。果たして、営業成績の良い営業はみんな過去の永瀬のように嘘をつきまくっているのか。

答えはノーだ。

営業成績の良い営業は「顧客からの信頼」がどれだけあるか、だと思う。ドラマの中でも永瀬が正直に物件のメリット・デメリットを伝えたことが信頼につながり、契約に結び付いたケースがあった。

AとB2つの選択肢がありAの方が価格が高かった場合、Aを勧めてくる営業がいたら「そりゃ、これ買ってもらった方があなたの営業成績は良くなりますもんね」と思ってしまう。しかし、Aを勧める理由が本当に顧客の悩みを解決してくれるものであるという説明があると、納得感が出る。

その「納得感」を出すためには、まず「顧客の悩みは何か」「ニーズは何か」を知る必要がある。そのために自分の勧めたい商品の話を一方的にするのではなく、最初に顧客の話を「聞く」ことが大切なのだ。

時には顧客の悩みを解決できる選択肢が営業成績的には良い方ではないかもしれない。しかし、納得して選択した顧客からの営業への信頼度は高くなり、リピーターになってくれたり、紹介をいただけたり、長い目で見たとき、結果的に自分の営業成績にプラスに働くのではないだろうか。


営業という仕事の難しさ


私はこの「顧客の話をしっかり聞いて悩みを理解する」「信頼を得る」ことの大切さに気付き、仕事をしてきたつもりだ。

しかし、過去の私と同じように「営業は自分のメリットになることしか言わない」というイメージを持っている顧客は少なくない。

正直不動産を見始めたときは「こんな営業がいるから、営業全体のイメージが悪くなるんだ」と少し怒りを覚えた。

しかし、物語が進むにつれて私が日ごろから感じていた営業の本質、仕事をする上で大切なことの本質を伝えてくれるこのドラマに没頭し、明日からも頑張ろうと勇気をもらった。

また、営業で上を目指す理由、大切にすることは人それぞれ違う。その方向性が違う色んなタイプの営業がいるからこそ企業の利益は上がり、良い会社になっていくものなのだと思った。

NHKプラスで見逃し配信がされているので興味のある方はぜひ。仕事をするといっても登場人物それぞれの考えがあり、誰か一人は自分が共感できる人物がいるはず。そして営業をしている方だけでなく、働く人みんなが共感できる話があると思います。




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