磁場マルファンクション、仮想人間−人間愛の欠如。

人間と人間の間には磁力があるでしょ？
それがまず、もう崩壊してる。
とりあえず俺の周りでは。

聞き飽きたオ◯ラインという言葉、
氾濫する引き算と割り算で導き出された、
効率化による誤算。
暗算する間もなく赤点喰らう。

これを闘いと呼ぶ勿れ。
これはただの愛の欠如。
全人類、倦怠期。
いわばおもてなしのセックスレス。

あないみじや。
置き配の残り香にさえ波立つ脳汁。
手の甲にある安全地帯、
そこにキスする不貞のティーン。
ウーバーイーツに２ケツの夫婦、
小銭泥棒、寺篭り。

他人の仕事をコピペして、
双眼鏡と吹き矢で茶々入れ。
手前の墓場も決めれぬ輩、
窓の月さえ憎らしい。

頓知で生きる覚悟を極めろ、
真面目じゃ毒針飲まされる。

怒りの矛先、揺れる切っ先、
矛も剣も持ち方が肝心。
また矛も盾も持てば毒。
潔白でいたければ何にも関わるべからず。

俺は毒でも剣を持ちたい。

いま俺を虐げる誰かの寝首をいつか。
この鎖を断つために。

そうして、剣を持った人の群れの中に、
分け入ってしまう。

本末転倒だ。

そのため俺は盾も持ちたい。毒でも。

いま俺を狙う弓矢からいつか。
その悪意から守るために。

そうして、盾を持った人の闇に紛れ、
佇んでしまう。

何も変わらない。

誤作動がつづく。
こんなはずじゃなかったことが次々起こる。
セーブポイントを横目にスペースタクシーで走り抜く。
思惑渦巻く真顔のきつねと、ミリの単位ですれ違う。

ああ、スーパーシティ。
俺を管理してみせろ。
どんな断崖からも飛び降りてやる。
そんな俺たちを止めてみろ。
カンダタは今、みんなを引き連れて
むしろ谷底を見下ろしいているんだぞ。

仮想空間、
ビデオ通話、
ひょうきんな背景画像、
で笑っている時間、
は、
時間割で言うと、
何時間目あたりのことだろうか。
たぶん２時間目の硬い空気か、
むしろ６時間目の緩い空気か。
どうでもいい、
死んでるんだ、その時の現実の俺は。

いまスーパーに並ぶ金目鯛が、
横切る俺を見つめていた。
笑うでも怒るでもなく。

どきりとした次の瞬間には、

もうあなたのことを考えていた。

手淫で蓋する六畳一間。
正午の酒で濁した政治。

離れてたって接してたって、
所詮あなたは皮の向こう。

ね、ほらオ◯ライン。
恥ずかしさを思い出して。