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2022.2.8 家・喪・女MEを振り返る

先日、『家』『喪』『女ME』の三部作の映像配信が開始しました。観劇三昧にて、サブスク登録で何度でも、いつまでもご試聴いただけます! そして本日、3部作のデータ台本の販売も開始しました。ぜひダウンロードしてください。

『舞台「カモメ」』を終え、KAMOME企画が幕を下ろして早2ヶ月ほどが経ちます。船旅から帰った僕はいま、サンシャイン水族館でガチの水生生物と向き合っています。

絶賛上演中のFLATTO公演『とけない』には、ユカという人物とユノという人物が登場します。KAMOMEを共に旅したみなさんなら、すぐにピンとくるかと思いますが、そうです、僕がマーシャに与えた2つの和名です。今作は、ユカとユノがもしも二人に分かれていたら、という並行世界です。

『舞台「カモメ」』が終わっても、なんだか終わってないような感覚がありました。それは今も続いています。これは一体なんなのでしょう。推測するに、4作で築き上げた人間関係が、演劇の虚構性を超克し、僕にとっての真の現実となって蓄積されたのだと思います。

クラスが替わると以前の友好関係が消える感じ、ありますよね? 演劇のカンパニーも、やはりそういう部分はあるのですが、KAMOMEに関しては、逃れられない記憶の集合として、現在の自分を構成する一部として明確に共存している実感があるんです。今まで僕は「舞台が終わると服を着替え、町に溶け込んでしまう」と思ってきました。しかし長い期間を共にした私たちは、紛れもなく「舞台を作りながら現実を共に生きつづけている」とハッキリわかるんです。

これは、『ノゾミ』から螺旋上昇し戻ってきた「虚実の隙間」としての『舞台「カモメ」』が到達した、新たな「虚構との向き合い方」でした。

さて、そんなKAMOMEですが、僕は4作を通してたくさんの変化を経験しました。上記のような螺旋上昇の旅路を、今の実感の中でどう消化しているか、改めて振り返りたいと思います。まずは『家』『喪』『女 ME』の3部作から。だいぶ長くなると思いますが、お付き合いのほど、お願いいたします。

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こちらの収益は、12月の劇場公演「カモメ」の資金にさせていただきます。

エリア51による2020〜2021年演劇企画「KAMOME」。企画・演出の神保による旅の日記(不定期)。チェーホフの名作「かもめ」にのせて…

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