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2020.8.20 演劇しない、をする

今日は事前稽古最終日でした。
写真は、稽古終了後、自転車で帰ろうとしている高田さんです。
上演台本の読み込み、特にニーナのせりふに焦点を当て、
それに付随してチェーホフに関する資料を一緒に読んだりして理解を深めていきました。

4幕のラスト、なぜニーナはトレープレフの元を訪れ、
「あの劇」のせりふを唱え、
急に抱きつき、そして走り去ってしまったのか。

答えには辿り着けないかもしれませんが、
身近な経験などになぞらえつつ、
彼女の精神状況や行動の意図を探っていきました。

劇中劇のシーンなどを筆頭に、
「かもめ」では観念的な会話が多々起こります。
それの、ことばが示す意味をすり合わせるのがなかなか難しく、
ホワイトボードに図を書いたりしてなんとか伝えようとしました。

高田さんは初舞台でニーナという難解な役に挑むわけですが、
いろんなものを吸収していくのが見てわかるくらい、
毎日変わっていくので、
本番がとても楽しみです。

その前に本稽古ですね。
本稽古で、みなさんのお芝居を見れるのがすごく楽しみです。

稽古は、なるべく人が多く集まらないように調整してスケジュールを組むのですが、
正直これが涙が出るくらい大変で(笑)
演助のちょんと一緒に何度も練り直すことが起こっています。。
いや、これが演出部の仕事なのですが、
そう、、こういうご時世でなければこの苦労をすることもなかったと思うと、なんだかやりきれない気持ちになります、そう、気持ちの問題ですが。

事前稽古を終え、帰りに高田さんと話していたのですが、
こんなことを聞かれました。

神保さんて、演劇って言いますよね、「お芝居」でも「舞台」でもなく「演劇」って。何が違うんですか?

じつは自分の中でうっすら使い分けてはいるのですが、広義ではそんなに意味の違いはないと思います。そこで、こんな質問を投げかけてみました。

「演劇しない、をする」って何だと思う?

質問の意味がよくわからないと思った方、それが正しい反応でして、高田さんももちろん困惑していました。

僕はこの問いに、大学の授業の時に出会いました。2年次の演出の授業の、最初の課題だったと思います。
僕は、「観客に目を閉じさせ、背後に回り込み、音を立てずに数秒たたずむ」という行動をとり、これは演劇ではない、と言いました。

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