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「仮想水」という考え方
こんにちは、はるきです。
前回は、日本の食品ロスについて書きました。
今回は、食品廃棄が世界に与える影響について書いていきます。
食品廃棄の問題点
食品廃棄の問題点を知るためには、どの様にして食品は処分され最終的にはどうなるのかを知っておく必要があります。
リサイクルできるものはリサイクルをして、それ以外のものは焼却し灰にして埋立地に埋めます。
リサイクル方法にはいくつかあるのでご紹介致します。
* 肥料化(コンポスト)
比較的簡単にできるリサイクル手法で、窒素・リン酸・カリなどの肥料に必須な要素を含んでいる食品廃棄物であれば高品質な肥料として再生利用することが可能です。
* 飼料化
たんぱく質を豊富に含んでいる食品廃棄物については、飼料化に適しているといえます。国内の飼料自給率は20%と低く、かつ食品廃棄物の総量を考慮すると、双方の環境資源効率化の意味合いでは相当に有効な再生利用手法ともいえます。
また、飼料化の延長で、たとえば魚のあら(魚腸骨)を飼料だけでなくペットフードの原料となる魚粉や魚油へリサイクルもされています。
再生飼料は一般的な飼料にくらべコスト高ではありますが、市場最安値とも言われている現在の価格が維持されるかというと疑問点もあります。
将来にわたる食料供給の水準の維持を目指す意味でも、再生飼料を活用するメリットは十分にあるといえるでしょう。
* メタン発酵(バイオマスエネルギー)
肥料化・飼料化ともにマテリアルリサイクルの範疇ではありますが、それらを生成するプロセスの中でサーマルリサイクルとしても食品廃棄物を再生利用できるのがメタン発酵です。
食品廃棄物を発酵させてメタンガスを取り出し、燃焼させ発電します。これをバイオガス発電と呼びます。
焼却し灰になったものを埋立地に埋める場合には、焼却する過程で二酸化窒素を排出させます。世界の温室効果ガスの8〜10%は食品関係の食品廃棄の過程で発生しています。
特に生ごみは、約80%は水分を含んでいるため燃えにくく、生ごみ1トンに対して760リットルの助燃剤(重油)が使われているそうです。
そうなると、食品廃棄を減らさない限りは温室効果ガスの削減は不可能ということになります。
食品廃棄は温室効果ガスを発生させる以外にも、灰になったものを埋立地に埋めるので埋立地の限界も来てしまうという問題も出てきます。
現在のペースでいけば20年で埋立地がなくなると言われています。
埋める場所がなくなれば新しく作れば良いという考えもありますが、家の近くに埋立地があると考えたらいかがでしょうか?過半数以上の人達は嫌がるのではないかと思います。
こういった周辺住民の理解や土地の確保、環境への悪影響など多くの問題点があるので簡単に埋立地は作れないです。
バーチャルウォーターという考え
食品を作るのに、どれくらの資源が使用されているか知る必要もあるかと思います。
食事の際に、食べ物にどれくらい資源が使われているのかと考えながら食べる人は少ないかと思います。
仮に食品に対して、どのくらい資源が使用されているかを可視化できれば食に対する価値観や食べ残しをするなどは減るかと思います。
どれくらの資源が使われているのかを知る指標として「バーチャルウォーター」というものがあります。
バーチャルウォーター(仮想水)とは
私達が、食べている野菜やお肉は育てるまでに必ず水を使用します。
そのため、野菜やお肉を食べるまでには目には見えない大量の水が消費されています。
それに加え、他国から輸入すればその国で消費されるはずだった水を間接的に使用することになります。
輸入された食品を、全て国内で生産したと仮定した時、必要な水量を算出したものがバーチャルウォーターとなります。
目には見えない潜在的な水ということです。
身近なもので例えると
・ご飯1杯あたりバーチャルウォーター量は555L
→ご飯1杯食べるのに555Lの水が使われている
・スパゲッティ1食でバーチャルウォーター量は200L
→スパゲッティ1食で200Lの水が使われている
食品廃棄をするということは、水も無駄にしているということになります。
バーチャルウォーターの算出方法
ここで重要なのが、このバーチャルウォーターの算出方法が適正かということです。
バーチャルウォーターを算出方法は下記の様になります。
VW基準値(㎥/t)×使用量(t)×1,000(l/㎥)=バーチャルウォーターの量(l)
バーチャルウォーターの基準値の単位は㎥/tです。つまり食料品1t(トン)あたり何㎥(立法メートル)の体積の水を消費しているか、を表しています。水の量が体積を用いており、1㎥を1,000l(リットル)で換算します。
例えば環境省が発表するVW基準値によれば、牛肉は20,600㎥/tです。これを基準に2kg(=0.002t)の牛肉を買ったとすると以下の計算が成り立ちます。
20,600(㎥/t)×0.002(t)×1,000(l/㎥)=41,200(l)
結果、41,200l(リットル)のバーチャルウォーターを含むことになります。計算する際の使用量は自分で用意する必要がありますが、後の数値は固定です。
VW基準値は下記の公式サイト一覧表などから食材を探し、用いてください。また使用量はtを基準とするため、もしgやkgならばtに直す必要があります。
1g=0.000001t
1kg=0.001t
こちらを基準に単位変換を行って計算に用いてください。
身近なものの仮想水を量るには?
算出する中で、1t当たりに何立方メートルの体積の水を消費するのかを適正な数値を弾かなければ適正な数字を弾き出すということができないです。
環境省ではVW基準値(㎥/t)の数値の一覧が記載されています。
上記にも記載がありますが、環境省のVW基準値(㎥/t)を元に牛肉1キロのバーチャルウォーターを算出すると20600Lの水が使用されています。
大根だと1キロ作るのに128Lのお水が使用されています。
私が思うに、環境省が記載しているVW基準値(㎥/t)自体が適正でないと考えます。
牛で考えると下記の理由で適正な数値ではないと思います。
・成長過程で飲む水の量が変わるから(成長するに当たって飲む水の量も増える)
→約親牛で1日で60〜80L水を飲む。
→成長過程で1日当たりの飲む水の量の変化のデータがない
・全国の酪農家の調査データがない
・季節によって飲む量も変化するから
・品種によって個体差があるので飲む水の量も変わってくるから
・1日当たりどれくらいの水を飲んでるかのデータがないから
そうなると、環境省が記載しているVW基準値(㎥/t)は適正でなく数字が多くなる事もあれば、少なくなるという事もあります。
野菜に関しても同じで、都道府県によってや品種、時期によっても水の使用量が変わってくるからです。
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まとめ
私達が、日々食べている食べ物を捨てるという行為は食べ物に使用されている資源も捨てるということになります。
食の背景を考えると、食に対しての感じ方や在り方は変わるのでないでしょうか?
食品を生産するまでには、大量の水や資源が使用されているのでこの記事を通して少しでも食品ロスを減っていけば幸いです。
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