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或る男からの絵葉書 XX


Rheinfall
20/9/1960
9︰50 a.m


有名な Rheinfallから葉書を出します。


絵葉書文化があった。

「絵葉書のように美しい風景だ」
昔は美しい風景を見るとこういう表現をした。

今は「インスタ映えする風景だ」

 絵葉書も切手も身近な存在だった。


観光地には
その土地の代表的な事柄の絵葉書が必ずあった。

学校で旅行に行くと
家族宛に絵葉書を書いて出すという課題があった。

切手も身近にあった。

文通も流行った 。
ワクワクしながら返事を待った 。

大切な手紙には
同じ料金でもより大きくて美しい切手を貼って出した。


今私は滅多に手紙も葉書も書かない。

暑中見舞い、残暑見舞い、 年賀葉書を書くくらいだ。

人とのやり取りはメールにとって替わった。

切手も遠い存在になった。


映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(原題: Back to the Future)のように

毎日
或る男の絵葉書を読んで
或る男の世界に飛んで
或る男と共に旅をして
想像を膨らませて楽しんでいる。

ある国では
郵便局の人によって郵便料金がまちまちだ 。
 料金不足で日本でその料金を支払ったのも興味深い。


或る男は
絵葉書で両親に語りかけることによって
留学生活での心の平衡を保っていたのかもしれない。

或る男と共に
旅は続く。


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