プロフィール/活動の現在地
鈴木遥の自己紹介ページです。創作の原点から活動の現在地まで、代表的な実績をまとめています。(2021年初旬に作成、後半部分は定期的に加筆・修正しています。)
【step1】 調査と記録、まちづくり
街や建築物を観察したり、興味の対象について調べたり、それを記録したりといったことが子どもの頃から好きで、そういった小さな活動をずっと続けてきました。
文化人類学と建築学(建築史学)を専攻していた大学時代、全都道府県120地域以上の古い町並みを巡って、建築や調査・記録手法の基礎知識を身に付けました。これがその後の創作活動での知識の土台になっています。
次第に町並み巡りは、一ヵ所に腰を据えて一つのものごとを掘り下げていく質的な調査活動へとシフトしていき、成果を報告書にまとめたり、まちづくりや建築物の保存活動にも数多くたずさわるようになりました。
初期の本格的な調査や取材活動としては、京都府与謝野町(旧加悦町)ちりめん街道での町並み保存のための建築調査や生活復元調査、徳島県三好市東祖谷落合集落全域での景観保存のための建築調査や伝説収集調査などがあります。
これらの調査を経て、与謝野町ちりめん街道と東祖谷落合集落はどちらも2005年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
【step2】 ノンフィクション作家として
大学卒業後は東京の出版社に就職し、書籍や情報誌の編集者や記者として、まちづくりや歴史や旅といった様々なジャンルの取材・執筆・編集を行いました。
25歳の時に、これまでの執筆活動の延長で本格的にノンフィクション作品の執筆に取り掛かり始めて、28歳の時(2011年)に『ミドリさんとカラクリ屋敷』(集英社刊、その後集英社文庫に)で作家デビューしました。
『ミドリさんとカラクリ屋敷』は、私の地元神奈川県の湘南の街にある“屋根から電信柱の突き出た不思議な家”(16歳の時に出会い、10年掛かりで取材を続けてきた)の謎を追った、謎解き系ノンフィクションです。
↓文庫版と電子書籍版のAmazonリンク
この作品は第8回開高健ノンフィクション賞の次点作となり、たくさんのメディアに取り上げられて、2011年のノンフィクション・ジャンルにおけるヒット作となりました。
本の週間売上ランキングではノンフィクション部門で最高位第7位。さらに2015年の文庫化の際には、1年間に刊行された全ての文庫本を対象に本の雑誌社が選定する「2015年度文庫ベストテン(ノンフィクションの部)」で第7位に選ばれました。
続いて共著『次の本へ』(84人の書き手による読書案内エッセイ集)では、“本との出合い”をテーマに10代の頃の路上観察体験から町並み巡り、そこからノンフィクションの制作へと至るプロセスを書いています。
これまでに、4つの著作(書籍未刊行作品やweb展開の作品含む)や私の活動について、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞を中心に100近いメディアで取り上げていただきました。
↓ 100のメディア出演・掲載の情報をまとめています。
【step3】 「まち歩き」に関する活動
『ミドリさんとカラクリ屋敷』の出版と前後して、取材したいテーマがたくさんある関西を拠点にしたいと思い、2010年に東京から大阪へと引っ越しました。大阪への移住に伴い、予期せず新たに加わった活動領域が「まち歩き」です。
大きな契機となったのは、「奈良の近代建築」をテーマに大学で講演をしたことでした。その翌年に、同じ「奈良の近代建築」をテーマに今度はまち歩き付きで大学の市民向け講座の講師を務めることになり、これが初のまち歩き仕事になりました。
すると、今度は講座のまち歩き部分のみが独立し、私が独自のコースで街を案内する「遥さんと街歩き」シリーズが別の会員制団体の主催により2012年に始動しました。
この「遥さんと街歩き」シリーズでは、大阪を拠点に毎年春と秋に新作のまち歩きコースを発表するペースでイベントを実施し、2021年に丸10年を迎えました。「遥さんと街歩き」内にて10年間で計17コースをリリースし、延べ730人を案内しています(その後も継続中)。
この他にも、私のまち歩き活動を毎日新聞や朝日新聞で取り上げていただいた他、複数の要因が加わって、まち歩きエッセイの連載や、まち歩き・観光ツアーで地方創生するための行政主体の調査事業など、まち歩きに関連するさまざまな仕事にたずさわるようになりました。
関連の活動としては、私のまち歩き活動を初めて取材してくれた毎日新聞記者の推薦で、2015年から2023年まで約10年にわたって「なら自治会ニュースコンクール」の審査員を務めました。奈良県内の自治会新聞の活性化をお手伝いするこの活動が、長く離れていたまちづくり活動を再開するきっかけになりました。
【step4】まち歩き × ノンフィクション
ノンフィクション作家として活動まもない2010年代中頃までは、活字の本としての「ノンフィクション制作」とコースをつくって街を案内する「まち歩き」、それぞれを別々の活動として取り組んでいました。しかし次第に両者の融合を意識するようになっていきます。
2015年には大阪の出版社で「本読みのための大阪まちある記」という連載を一年かけて行い、まち歩きのスタイルで江戸時代からの活字メディアの歴史をたどりました。
さらに昔から夢だった「空間上に書いて表現すること」や「道をたどるように視覚的に本のストーリーを共有すること」を目標に、その実現手段として2018年にまち歩きプログラム「弥次さん喜多さんと街歩き」を始動しました。
「弥次さん喜多さんと街歩き」では、『東海道中膝栗毛』大阪編の原作ストーリーを大阪の道の上に再現していく試みからスタートし、弥次さん喜多さんと旅する読書体験コンテンツをwebサイト上で展開しています。
【step5】活動の現在地
取り組んでいる作品はいずれも長丁場で、活動の現在地が見えにくい状況ですが、2023年現在も複数の出版社と書籍の制作を進めています(いずれ著作一覧ページも作成予定)。
そして大阪を拠点にフリーランスとして活動を続けるなかで、次第に私の働き方は、年間とおして複数のプロジェクトを同時並行的に組み合わせて進めていく複業的なスタイルへとシフトしていきました。
取材・執筆、まち歩き、書籍づくりといった技能を生かしつつ、これらを依頼に応じてプロジェクト単位で横断していく仕事の仕方をしています。
↓「単体のコンテンツ制作」事例
↓ 組み合わせ事例/年間の活動状況
最新の活動情報は「2022年の活動まとめ」をご覧ください(2022年末時点)。
略歴、リンク先
●問い合わせ先(メール送信フォーム)
https://onl.bz/fKhj1fR
●サイトマップ -活動紹介リンク先一覧-
プロフィール/年間の活動レポート/著作・制作物/メディア出演・掲載/講演・イベント出演
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