クレーンゲームが好きだ。1000円の背景にある物語。

クレーンゲームが好きだ

元々、お金に関しては合理的で、慎重な考えを持っていると思う。
宝くじとか買ったことないし、
ギャンブルもやらない。
でも、クレーンゲームは好き。

クレーンゲームって、まったくもって非合理的だと思う。
つい先日あったことだが、おもちゃ屋さんに併設されたゲームセンターで、
カレーパンマンのぬいぐるみが欲しくて1000円投資したけど、取れなかった。
うなだれつつ、ふと周囲を見渡すと、
必死に取ろうとしていたカレーパンマンにそっくりのぬいぐるみが
約1000円で売っていた。

それでも、1000円を出せば買えるカレーパンマンよりも、
1000円出しても買えなかったカレーパンマンの方が魅力的に見える。
心理学者が解明しつくした人間心理であろう。
私はカレーパンマンだけが欲しかったのではなく、
カレーパンマンと、それをを取るまでの物語が欲しかったのかもしれない。

クレーンゲームが好きになったきっかけは、祖父だった。
祖父は百貨店の屋上にあるゲームセンターに、私をよく連れて行ってくれた。
予算は毎回1000円だった。
(でも優しい祖父は、お願いすればもう500円ぐらいくれた。)
今でもクレーンゲームをやるとき予算を1000円と決めているのは、
その時のくせだと思う。
1000円投資しても、取れる時と、取れない時がある。
1000円の背景には、それぞれの物語がある。
ただのぬいぐるみが、背景を持った物語に変わる。
そんなことを、子ども心ながら感じていた。

合理的に考えて行動したいと思っている。
でも、世の中には合理的に割り切れないこともある。
私にとって、そのひとつがクレーンゲームだ。
祖父との思い出と共に、1000円を握りしめながら、
またクレーンゲームにチャレンジする。

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