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深く、静かに、大胆に。 #センセイを捨ててみる。
「quiet vacationing」という言葉をご存知でしょうか?
アメリカのミレニアル世代の間で「静かな休暇」が広がっているようです。
ちょっと前に話題になった「Quiet Quitting(静かな退職)」の仲間です(笑)。
最初に「静かな休暇」という言葉を聞いた時、
「会社に黙って休むことかな?」
「いやいや、そりゃ無理でしょ。無断欠勤はさすがにダメだよね」
「じゃあ、誰にも言わずにこっそりと休暇の予定を立てること?」
こんな感じで、いろいろと思いを巡らせてみました。
池さんによれば、「quiet vacationing(静かな退職)」とは、
”雇用主に知らせることなく休みを取ること、つまり、リモートワークにおいて働いているフリをしながら休むスタイルということ”
です。
同様に考えると、「静かな休暇」とは、
”仕事をしているふりをして、上司にわからないようにこっそりと休むこと”らしいです。
一般的には「管理の呪縛から逃れるための方便」として認識されているようですが、いずれにせよ、「静かな退職」も「静かな休暇」も、「高度なサボタージュ」です(笑)。
ですが、私は両者に”異なる定義”をあててみました。
「静かな休暇」は、「前置きなしで休むこと」。
「静かな退職」は、「誰にも言わずに退職までのプランを立てること」。
教師である私がこれらの言葉から想起することが2つあります。
ひとつは、教師は休みをとれているか、という問題。
管理職に、あるいは同僚に何も言わずに「静かな休暇」を取ることは、不可能です。どの教師も担任をしているか授業があるかのいずれかに該当するので、急な欠勤は嫌がられると思います。他の誰かがその穴を埋めないといけません。
そのため、教師の多くは休む必要がある時や「休みたい」と思った時に、何のためらいもなく年休を取ることはないように思います。
ふたつめは、退職プランを立てている教師はどれくらいいるのか、という問題。
プランを考えているかどうかだけでなく、プランを考えるゆとりがあるのかという点も含めてです。
私の周囲の同僚は、ほぼ例外なく「60歳以降は再任用制度を使う」という意見でした。給与が減額されても、勤務先が自宅からかなり遠くても、教師として働き続ける決意です。
「静かな退職」を進行させている人は、聞きません。
「前置きなしで休む」という意味での「静かな休暇」は不可能でしょうか?
教員がらみのSNSを見ていると、「年休申請は1週間前にしておかないと文句を言われる」という記事に出くわします。
私は深い驚きを覚えます。「帰りたい」と思ったら帰る。普段からそうしている私のような人間からすれば、「年休の事前申請」を義務づけられることは容認できる範疇にありません。
髪を切りたいから、帰る。
読みたい本があるから、帰る。
たまには家族とゆっくり話がしたいから、帰る。
天気がいいから、ドライブしたくて、散歩がしたくて帰る。
何となく気分が乗らないから、帰る。
「その日の仕事が終わっている」という条件つきで、帰ります。年休とは本来、そのような性質のものですから。SNS等で散見される「年休の事前申告を強いるシステム」があるとすれば、それはハラスメント行為でしょう。
私が勤務している定時制高校の生徒たちは、休みます。
休めるギリギリの日数まで休みます。
彼らはそうやって、リズムを取っている。
さすがに社会人はそうもいきませんが、私の目にはむしろ、そんな生徒たちのセルフコントロールのあり方が”自然”に映ります。
彼らにとって、3年4年の高校生活は、かなりの長丁場。
でも、私たち教員にとっても、この仕事は本当に長丁場ですよね?
次に、誰にも言わず、退職までのプランを立てること。
この点については、誰がその行為を縛っているわけでもありません。考えるかどうかという問題です。
そして、ほとんどの教師がそのことについて考えないのは、少々残念と言わざるを得ません。
毎日、目の前のことに、
生徒のことに一生懸命になるあまり、
大切な何かを忘れてしまう。
「大切な何か」とは、
「あなたの人生」でもあり、
「生徒にとっての長期的な利益」でもあり、
「教育の最優先事項」でもあります。
あなたが自身のキャリアに真摯に向き合えば、
生徒にとって何が必要なのかが見えてくるようになります。
生徒も、キャリアを真剣に考えている。
だから、まずあなたから始める。
休みを取り、時間をつくり、考える。
「静かな休暇」と「静かな退職」は、その気になれば可能なんです。
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思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!