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3週間の収穫 #芯家族

娘が塾に通いだしてから、3週間が経ちました。
持ち時間は、あと1週間です。


9月に入ってから、学習塾を探し始めました。
娘を通わせたい学校があり、そこは中高一貫校なので、中学受験をする必要があったんです。

入試は12月上旬なのに、小6の夏休みが明けてから塾を探し始めるという、この体たらく。妻からはことあるごとにチクチクと責められます。

そして、それ以上に当の娘は、かたくなでした。

「みんなと一緒に地元の中学に行く。」

そりゃそうです。いつメン(いつもの仲良しメンバー)は、みんな地元中に行く。だったら、彼女たちと違う中学へわざわざ行く理由なんて、娘にはありません。

私は一計を案じました。
地元中と一貫校の比較対照表をスライドで作って、フェアな形を装いながら一貫校のメリットを伝えよう!

娘を呼んで、一緒にPC画面のスライドを見て、説明しました。
私が一方的に、90分。

娘は、声を出さずに泣きました。しっかりと私の目を見て。涙だけが流れていきます。こんなことが3回ほどありました。

私は妻と相談しました。

あの子が地元中に行かない理由がない。
一貫校に行く理由はあるけど、それは親の都合。
受験対策をしなければ、絶対に受からない。
出願は11月。10月末まで塾に通わせて、とりあえず受験させて、合格したらどちらの中学へ通うか本人に決めさせよう。

安直極まりない方針ですが、娘はこの提案を受け入れました。

ですが、塾で言われました。

本人に行く気がないのに受験させた場合、しこりが残るかもしれませんね。
事前作文や面接の際には志望動機を聞かれますが、噓を書いても見抜かれてしまいます。

それに、受験について何も言わなくても、周りの友達は雰囲気を察します。もし落ちた場合、本人も言い出しにくいだろうし、友達も聞きにくい。

やはり、本人の意思を尊重した方がいいと考えます。

塾の先生

私は、はっとしました。
親である私よりも、生徒を受け入れる側の塾の先生が、本人の気持ちをしっかりと考えている。

私はその塾に娘を預けることに決めました。
そして、「とりあえず受験」をやめました。

出願直前まで塾に行かせた上で、その時もう一度、娘に受験の意志確認をしよう。もし娘がノーと言うなら、受験はさせないでおこう。

9月半ばから10月半ばまでの、わずかひと月。その間に娘の気持ちがどう変化するか。私たち大人は、そこだけを見ることにしました。


通塾を始めて今日で3週間。残り1週間です。

歯科の診察が長引いて、塾の迎えが25分遅れた私は、先に徒歩で帰ったであろう娘を追いかけるように車を自宅へ走らせました。

娘は家に着いていました。
「走って、歩いて、また走って帰ってきたよ~。25分で。すごいでしょ。」

・・・これだから、子どもには勝てないって思います。不本意な塾通いだろうが、親の迎えがなかろうが、自然に「次」を見つけて動き出している。

私は娘を枠にはめようとしました。
娘はその枠にはまっているようで、はまっていない。

1週間後、娘はこう言うでしょう。
「一貫校には行かない。地元中に行く。」

その様子が、確実に想像できます。ですが、それでいい。
妻にはこう言われるでしょう。「あなたがのんびりしてるから」。

その通り。でも、どうでもよくなりました。

①一貫校のすべての学校説明会に親子で参加した。
②一貫校へ行く意味を丁寧に説明した(娘はいつも泣いていましたが・・・)。
③3つの塾のお試し授業を受けて、1つに決めた。
④塾の先生の話を聞き、受験する子どもが辿るプロセスをイメージできた。
⑤塾の迎えの車内で、娘とその日の話をするようになった。

何よりの収穫は、家族で一つの方向を向いて動き出したことです。


今回の中学受験と塾通いは、私が娘に対して行った、初めての「提案」でした。

そもそも、当初は受験に際して塾通いをさせるつもりはありませんでした。中学受験くらいなら、家で何とかなると思っていたからです。

でも、実際は違いました。
一貫校の理数系の問題は、国語教師の私には解けません。
そして塾の先生は、教師の私が知らない受験情報を持ち、子どもの勉強への向き合わせ方を知っている。

適切なタイミングで子どもに働きかける主体は、教師でなくてもいい。
子どもが育つために必要なのは、多くの人間に囲まれていることではなく、多くの「種類の」人間に囲まれていることなんだってことです。

子どもは毎日、家と学校を往復します。
そこで接するのは、親と教師だけ。
娘にとっては親も教師なので、ガチガチの教師脳の影響を受けるはずです。

小3から小5までの3年間は、コロナとともに。
一番遊びたい盛りに、外遊びもちょっとした旅行もできませんでした。

塾では、大学生のお兄さんやお姉さんと時間を過ごします。
勉強のやり取りを通じてとは言え、小6の子どもにとっては新しい価値観に触れる機会になるでしょう。

家族で気持ちを伝えあえたこと。
娘が家と学校以外の価値観に触れたこと。

これが、収穫でした。

1週間後には、きっと穏やかな顔で娘の返事を聞けると思います。


現役高校教師
 
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オン&オフラインセミナー講師
 
心理学修士(学校心理学)
 
NPO法人日本交渉協会認定「交渉アナリスト」1級
https://nego.jp/interview/karasawa/
 
一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催
「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了





思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!