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鷲田さんのバトン

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鷲田清一さんの朝日新聞連載コラム『折々のことば」。 日替わりで、私の知らない人たちばかりが登場します。 鷲田さんは、読者と「彼ら」をつなげる役割。 だったら私は、「もっとつなげる…
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#佐々木松雄

深海魚は必要に迫られているから。人間は生の重みを知っているから。 #鷲田さんのバトン

明石海人は、こんな人。 美男子、博学、資産家、ハンセン病患者、妻子との離別、醜化、失明、麻痺、歌への執着、38歳で夭逝。 波乱の人生。ですが、「人生は長さじゃない」と思わせてくれます。 そして、近藤宏一はこんな人。 10代でハンセン病発症。手指の欠損、失明、サングラス、ハーモニカ楽団、指揮者、83歳で逝去。 病を抱えての長寿。私には想像するしかありません。 近藤さんに師事した佐々木松雄さんは、こう言います。 重い病をアイデンティティの基盤に据えることなど、普通の